実家の親「食べる量が減った」が危険サインの理由 食が細ってくると、生きる力も細っていく
東洋経済オンライン / 2022年1月15日 13時0分
年末年始の帰省や実家への電話で、こんな話を聞いたことはありませんか? 「最近、あまり食べられなくて、やせてきちゃったのよ……。でも、お医者さんの言うことを聞いて、薬も飲んでるから心配ないと思うけれど――」。
もし、年老いた親や同居しているきょうだいからこんな話を聞いたら、かなり親御さんの身に衰えの危機が迫っていると考えるべきでしょう。
※本稿は佐々木淳氏の著書『在宅医療のエキスパートが教える 年をとったら食べなさい』から一部抜粋・再構成してお届けします。薬の服用は個別のケースで状況が異なるため、主治医とご相談ください。
■高齢者が「やせる」と危険な理由
いったいなぜなのか。いちばんのポイントは「食べられなくて、やせてきた」という点です。高齢者にとって、「やせて体重が落ちる」のは、非常に危険なサイン。
食事量が低下すると、低栄養状態となり、体は自らの筋肉を分解してエネルギー不足を補おうとします。すると、筋肉量がてきめんに減少して体重が減っていくことになります。そして、筋肉量が減って足腰が弱って運動機能が落ちてくると、よろけたり転倒したりするリスクが高くなります。骨折して入院でもしようものなら、入院中にいっそう筋肉が落ちて、衰弱が一気に進んでしまうことになりかねません。
それに、食事量が低下して筋肉が落ちてくると、足腰の筋肉だけでなく、のどや舌を動かすための筋肉量も落ちて、食べたり飲んだり吐き出したりする機能も低下してくるようになります。
すると、誤嚥(食べ物や唾液をうまく飲み込めず、誤って肺のほうに流れてしまうトラブル)をするリスクが高くなり、誤嚥性肺炎を起こしやすくなってしまうのです。誤嚥性肺炎は高齢者が衰弱する大きな原因のひとつ。誤嚥性肺炎を起こすたびに入院をし、そのたびにガクンと体力を落としていってしまうケースも少なくありません。
また、転倒骨折や誤嚥性肺炎で衰弱が進んでしまったのをきっかけにして、寝たきりになったり認知症の症状が現われてきたりするケースも目立ちます。つまり、高齢者の場合、「あまり食べられなくなった」「やせてきた」のをスタートとしてあれこれの厄介事に見舞われるようになり、坂道を転げ落ちるように衰えが進んでしまうことが多いのです。
もし高齢の親が「食べられなくなってきた」「食欲がない」「体重が落ちた」「やせてきた」といったことを少しでも訴え出したら、決してその状況を甘く見てはいけません。「転倒骨折」や「誤嚥性肺炎」の落とし穴にハマらないよう、日々しっかり食事量をキープするよう促していくべきでしょう。
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