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幸福になりたいと願う人が幸福から遠ざかる皮肉 真剣に考えるにはあまりにも重すぎるテーマ

東洋経済オンライン / 2022年1月21日 14時0分

「自分は幸せだろうか?」と思い詰めるほうがよくないのです(写真:Pangaea/PIXTA)

人が幸福だと感じる条件をまとめた『幸福についての小さな書』で、著者のミカエル・ダレーン教授(ストックホルム商科大学)は最後の章を「幸福を真剣に考えるのはやめよう」と締めくくっています。幸福感を高める本で、「真剣に考えるのはやめよう」と伝えた真意とは? 本稿で抜粋・一部再編集してお届けします。

前回 :金曜に幸福感の高まる人が多い意外な事実の根拠(1月14日配信)
前々回:幸福感の高い人とそうでもない人の間の意外な差(1月7日配信)

■フィンランド人も考えすぎれば簡単に不幸に

国連の「世界幸福度報告書」でフィンランドが世界で最も幸せな国に選ばれたとき、私はヘルシンキの大学で客員教授をしていました。

フィンランド人をこれほど幸せにしているものは何か――興味を持った私は、1000人以上のフィンランド人に日記をつけてくれるよう頼み、仕事、健康、人間関係、余暇など、あらゆる面で幸福度を毎日評価してもらうことにしました。

毎週彼らから日記が送られてくると目を通し、何か傾向はないか、必死に探しました。

しかし、どの角度から数字を見てもフィンランド人の何が特別なのかを説明できる明確なパターンは見つかりませんでした。それどころか、数週間後には、すべての尺度でゆっくりと、しかし確実に彼らの幸福度が下がっていったのです。

つまり、フィンランド人がどれだけ幸福なのかを考えてくり返し調査に答えれば答えるほど、幸福度が下がることが判明したのです。

というわけで、私からの最後の、そして最も重要なアドバイスは「幸福かどうかを真剣に考えるのはやめよう」です。

実際、幸福研究は「幸福とは異常な状態だ」という認識の上に成り立っています。

幸福について書かれた最初の研究論文は、100年余り前に『異常心理学ジャーナル』という学術誌に掲載されました。心理学者ジークムント・フロイトは、1929年に「幸福は必ず各個人の最も原始的な欲求を満たすことで生じる」という本を出版しています。この「最も原始的な欲求」とは文明社会では不謹慎と見なされている欲求を指し、フロイトは「人々が幸福になれないのは文明社会のせいだ」という言葉を残しています。

また、幸福を追求しすぎることは「ハッピーコンデリ症」を引き起こしかねません。ハッピーコンデリ症とは、「自分は今よりも幸福でなければならない」と考えるせいで、実際よりも不幸だと思い込む症状です。なので「幸福か否か」という2択で考えるのではなく、「どのくらい幸福か」で現在の自分をとらえるほうが健全なのです。

■強く求めすぎると遠ざかる

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