首相と軋轢?尾身会長「突然の変身」が広げた波紋 一転して柔軟な対応を主張、自治体は混乱
東洋経済オンライン / 2022年1月21日 8時30分
政府は1月19日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染爆発を受けて、新たに13都県を対象にまん延防止等重点措置の適用拡大を決めた。ただ、その際に政府分科会の尾身茂会長が、これまでの人流を抑制する方針から柔軟に対応する路線へ“変身”したことが、関係者に複雑な波紋を広げた。
尾身氏は昨年夏から秋にかけての感染第5波でのコロナ対策では、繁華街などへの人出を減らすいわゆる「人流抑制」を主張していた。
しかし、19日には飲食店の「人数制限」への移行を主張。併せて「オミクロン株の特徴を踏まえた効果的な対策が重要で、ステイホームなど必要ない」と言い放った。
■政府と専門家代表の主張が逆転
尾身氏は、コロナ対策に苦闘した安倍晋三・菅義偉両政権でも、感染対策の専門家トップとして政府への提言を続けてきた。ただ、厳しい対策の主張で政府と対立する場面も多く、当時の菅首相が周囲に「(尾身氏を)黙らせろ」と憤慨したとされる。
オミクロン株感染爆発が欧米各国を襲う中、岸田文雄首相はオミクロン対策として「G7各国で最も厳しい対応」を打ち出し、国民的評価を得た。しかし、尾身氏が一転して柔軟な対応を求めたことで、政府と専門家代表の主張が逆転した。
オミクロン株の感染力は桁違いだが、重症化リスクは低いとの各国の研究結果を踏まえ、尾身氏は対応方針を変えたとみられる。ただ、当面の対策は飲食店の「人数制限」や「マスク飲食」の励行だけで、問題化している介護施設や保育現場などでのクラスター対策には言及しなかった。
これに対し、今回まん延防止等重点措置の適用対象となった県の知事から「メリハリというが、実態とかけ離れている」などの批判が噴出。飲食店の営業時間短縮や酒類提供の可否についても、各都県の対応混乱が拡大している。
政府の自治体丸投げの姿勢と、自治体間の足並みの乱れが、オミクロン対策全体への国民の不安、不信を拡大させかねない状況となっている。
政府は19日夕のコロナ対策本部で、オミクロン株感染爆発に迅速に対応するため、13都県にまん延防止等重点措置の適用を決めた。期間は21日から2月13日までの24日間で、医療逼迫防止に向け、各都県による飲食店への営業時間短縮や酒類提供停止の要請などで感染の抑制を図る、とした。
13都県の内訳は、東京都と群馬、埼玉、千葉、神奈川、新潟、岐阜、愛知、三重、香川、長崎、熊本、宮崎の各県。すでに適用中の沖縄など3県と合わせ、対象地域は計16都県に拡大した。
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