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「ブランド=高額品」と考える日本人に欠けた視点 コロナ禍で激変した消費者の心のつかみ方

東洋経済オンライン / 2022年1月24日 11時0分

ブランドビジネスに精通する大西洋氏と川島蓉子氏の対談をお届けします(写真:梅谷秀司)

新型コロナウイルスの感染拡大によって、消費者のモノやブランドの選び方が大きく変化し、本当に必要なもの、本当に欲しいものだけを買うという傾向が強まっている。それが如実に表れているのがアパレル業界で、服が売れず、ブランドの撤退や人員削減を余儀なくされる企業が続出している。

このブランドビジネスを覆う苦境を脱却し、再成長につなげていくためには何が必要なのか。元三越伊勢丹ホールディングス社長で、現在は地方創生推進のコンサルティングなどを手がける羽田未来総合研究所社長の大西洋氏と、『ブランドはもはや不要になったのか』などの著書があるジャーナリストの川島蓉子氏による、アフターコロナのブランド戦略についての対談をお届けする。

■ブランドは「下から仰ぎ見る存在」ではなくなった

――コロナ禍で消費行動が変わり、アパレル業界では撤退に追い込まれるブランドが出るなど大きな影響が出ています。ファッション業界を中心にブランドビジネスの世界が長い大西さん、川島さんはこうした変化をどうご覧になりますか。

大西:消費者の行動に変化が起きたことはいいことだと捉えています。ブランドが持つ歴史や理念などに加え、社会課題解決のためにどんなビジョンを持つかが重要になりました。

ファッションの世界でいえば、デザインだけではなく、環境に配慮した生地や素材を使って、どんな生産背景でモノづくりをしているかといったストーリーが求められるようになっています。

川島:戦後からリーマンショックまではブランドビジネスは主にファッションが牽引してきました。しかし、バブルが崩壊したころからブランドは「下から仰ぎ見るあこがれの存在」ではなくなった。消費者から「共感され、応援される」という対等な関係が求められています。

好調なブランドがある一方、デジタル化などに出遅れて閉鎖に追い込まれたブランドもあります。コロナ禍でブランド品が売れなくなったといわれますが、以前からあった問題がコロナで加速し顕在化したと捉えるほうが正確ではないでしょうか。

――では、お二人から見て、「ブランド」とはどういうものですか。

大西:ここ何十年と議論されてきましたが、答えは1つではありません。人がそれぞれ、名前や生い立ちや性格、趣味趣向を持つように、各ブランドにも歴史やストーリーがある。そのブランドが何を一番に置いているのかというところにも個性があります。

そして今の時代に欠かせないのが、社会課題の解決のための理念やターゲットを持っているかどうかです。消費者がブランドを買うときのかつての基準は、商品の価値や価格でした。ところが、今はものを買うことによる「社会貢献」も加わっています。商品を売っている企業が社会に貢献している会社だと、自分もそのサプライチェーンに消費者として参加していると実感できるからです。

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