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KDDIで大規模障害、生きなかった「ドコモの教訓」 過去最大級の通信障害が発生した背景とは

東洋経済オンライン / 2022年7月6日 18時20分

7月最初の週末、KDDIで発生した通信障害は、発生から復旧まで86時間を要した(編集部撮影)

猛暑の週末に発生した大規模な通信障害は、日常の生活や経済活動に大きな影響を与えた。

7月2日未明、KDDIで発生した通信障害。影響が出た回線数は最大で約3195万に上り、完全復旧には4日近くも要した。携帯電話大手の通信障害としては、総務省が公表している2008年度以降で最大の規模となる。障害の発生から復旧までに86時間程度かかり、2021年10月に起きたNTTドコモの通信障害の約29時間を大きく上回る長さとなった。

「重大な事故」に該当

事の発端は、2日未明の定期的な通信設備のメンテナンス中に不具合が生じたことだ。その際、電話交換機などの通信設備にトラフィックが集中する現象が発生。音声通話もデータ通信もほとんど利用できない状態に陥った。

KDDIによると、復旧作業は西日本で3日11時、東日本で同日17時半に終了したが、以降も通常どおりの通信ができるかテストを実施することを理由に、通信制限を継続。確認作業に時間をかけたことで、完全な復旧宣言を出したのは5日の15時半になった。

金子恭之総務相は3日朝に開いた臨時の記者会見で、「電気通信事業法上の『重大な事故』に該当する」と言及。行政処分を辞さない考えを示した。

KDDIは5日時点で、事故原因を「調査中」としている。電気通信事業法によれば、110番など緊急通報を扱う通信サービスで、3万人以上の利用者が1時間以上通信を利用できない場合などが「重大な事故」と位置づけられている。

重大な事故となった場合、30日以内に総務省に調査報告書を提出することが義務づけられている。その後、事故原因の詳細や再発防止策が公表される見通しだ。

KDDIにとって、今回の通信障害の代償はどれほどのものか。KDDIの髙橋誠社長は、3日の会見で「個人・法人に対する補償を検討する」と表明した。

複数の証券アナリストは、利用できなかった期間分について個人向けに補償すれば、150億~200億円程度の減益要因になると試算する(KDDIの2023年3月期の営業利益計画は1兆1000億円)。

また、被害を受けた法人顧客からの視線も厳しい。KDDIと社用携帯を法人契約する都内の食品卸企業からは「現時点で他社への乗り換えは考えていないが、今後の対策次第だ」との声が聞かれる。今回の通信障害を重くみた顧客が、ほかのキャリアに乗り換える可能性も出てくる。

IoTで広がる障害

ここ数年、KDDIに限らず大手キャリアでは通信障害が相次いでいる。ドコモは2021年10月に約1290万人、ソフトバンクは2018年12月に約3060万人に影響を与える大規模な通信障害を起こした。総務省によると、2020年度の重大な事故の件数は4件。ここ数年は3~5件で推移しているものの、事故1件当たりの影響を受ける個人や法人の数が大きくなっている傾向がみられる。

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