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「鍋から煙が…」憧れの仕事を辞めた彼女の気づき 「教員を休職→空白期間」経て選んだ新たな人生

東洋経済オンライン / 2023年11月4日 11時0分

子育て中の同僚の中には、子どもが体調を崩した際は近くに住む両親にサポートしてもらえる人も多かった。しかし、成田さんの場合は自分と夫、どちらの両親とも離れて暮らしており、気軽に頼れる状態ではなかった。

体調を崩した我が子を泣く泣く病児保育に預け、それもできないときはやむなく遠方に住む義理の両親に預けることも。成田さんは1週間、わが子の顔をみることができない日もあったという。子どもの育ちを支える存在であるはずの教員自身が、子育てができない、という状況に陥ってしまっていたのだ。

夫との関係にも、ヒビが入っていった。睡眠不足や余裕のなさからイライラすることも増え、学校ではネガティブな感情を出せないぶん、家で頻繁にぶつかるようになった。

「あの頃は夫婦どちらも、常にイライラしてたかもしれないです。子どもが熱を出したら、夫とどうするか話し合うんですが、『私は明日は絶対休めない』『いや、俺も休めない』みたいな感じで、平行線になってしまって…。結果的に私が休む時もあれば、夫が休む時もありましたが、喧嘩はすごく多かったですね」

このままだと火事や事故を起こすかもしれない

過酷な日々をなんとか1年やりすごした成田さん。しかし、更なる困難に直面する。きっかけは、別の小学校への異動だった。家庭の事情を理由に異動を避けることはできないか、校長先生から教育委員会に相談していたものの、人事配置などを理由に聞き入れられることはなかった。

異動先は生徒数が1500人ほどもいるような大規模の学校で、業務も大幅に増えた。さらに、その学校はデジタル化が進んでおらず、出欠や成績の管理も手書き。以前の学校では数分で終わっていたことが、数十分、数時間かかるようになってしまった。

「保育園のお迎えがあるから、残業はできない。だから朝6時半には学校について、作業をしていたんです。それでも終わらないから、土日も出勤するようになりました。もともと土日まで働くのは好きじゃないんですけど、さすがに終わらなくて…」

慣れない人間関係、増える業務、体調を崩す子ども…疲れと、自分の子どもを犠牲にしている状態へのストレスから、異動して1カ月経つころには成田さんの心身は限界に達していた。

そして起きたのが、鍋の火をつけっぱなしにした事件である。

「ゆっくり料理する時間もないので、おかずは週末に作り置きして、帰宅後味噌汁だけちゃちゃっと作って、急いで保育園のお迎えに行ったんです。2、30分くらいして帰ってきたら、すっごい焦げ臭くて。見たら、味噌汁が全部蒸発していたんです」

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