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岸田首相「辞任ドミノ」で支持率下落の"底なし沼" 解散権失い、「ポスト岸田」に動き出す自民

東洋経済オンライン / 2023年11月16日 10時30分

閣議に臨む岸田首相と高市経済安保相(写真:時事)

わずか3週間足らずの間の3人の副大臣・政務官の「辞任ドミノ」で、岸田文雄首相が支持率下落の“底なし沼”に沈み始め、「年内解散どころか、来年秋の総裁選前の解散も危ぶまれる状況」に追い込まれている。

ほぼ1年前の「4閣僚辞任」の悪夢再来ともみえるが、今回も岸田首相の決断の遅さが際立ち、「官邸の危機管理がまったく機能していない」(自民幹部)ことが事態を悪化させた。これを受けた主要メディアの世論調査では内閣不支持率がほぼ7割に達し、2012年末の自民政権復帰以来の最悪の数字に。それを踏まえて自民党内の「岸田降ろし」も本格化し、来年9月の総裁選をにらんでの「ポスト岸田」が動き出した。

「増税メガネ」と「減税メガネ」が大喜利状態となって、「国民から総スカンとなった」(自民幹部)岸田首相への、決定的打撃となったのが神田憲次衆院議員=衆院愛知5区=の財務副大臣辞任劇。

あろうことか、財務省のナンバー2が税金滞納で繰り返し差し押さえを受けていたことがいわゆる「文春砲」で7日に発覚。しかし、岸田首相は「法律違反はしていない」との理屈で“更迭”を遅らせたことで、自民党内から「あまりに対応が遅すぎた」(幹部)との批判が噴出した。

【2023年11月17日19時00分】初出時、神田憲次衆院議員に関する一部記述に誤りがあったため修正しました。

「最大派閥への忖度」で遅れた神田氏“更迭”

この神田氏の進退をめぐる判断の遅れは、同氏が2012年衆院選でいわゆる「安倍チルドレン」として当選した安倍派の中堅議員だったため、「最大派閥に忖度して、即時更迭をためらった」(閣僚経験者)との見方もささやかれる。

結果的に岸田首相は6日経った13日午後に、党内の声も踏まえて神田氏の事実上の更迭に踏み切った。ただ、同日夕、官邸で記者団に発したコメントでは「国会で説明をさせてきたが、本日、本人から国会審議に影響を与えることはできない、辞任したいという申し出があり、これを承認した」とあえて“更迭”というニュアンスを避けた。

その際岸田首相は、「人事は適材適所で行わないといけないと思っているが、政治というのは結果責任だ。財務副大臣が着任してから辞任に至ったということについて、国民の皆さま方におわびを申し上げないといけない」と沈痛な表情で陳謝。

ただ自らの任命責任については「重く受け止めている。政府一丸となって一層の緊張感をもって職責を果たしていくことを通じて、国民の信頼回復につなげていくことに尽きると思う」と述べるにとどめ、最後まで具体的な責任の取り方には踏み込まなかった。

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