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業績絶好調のメガバンク「株価が上抜けない」ワケ 最高益更新でも「PBR1倍」の壁を越えられない

東洋経済オンライン / 2023年11月22日 9時0分

発端は2022年12月20日。日本銀行はYCC(イールドカーブ・コントロール、長短金利操作)を修正し、長期金利の上昇を容認した。長期金利は有価証券運用の利ザヤ拡大などに寄与するものの、本丸である貸し出し金利への恩恵は短期金利に比べて大きくない。それでも、金融緩和政策の転換が好感され、銀行株が一斉に急騰した。

銀行株は3月には、欧米銀破綻の余波で一時下落したものの、金融不安が局所的に留まったことでほどなくして底を打つ。7月には日銀によるYCCの再修正を好感し、さらに上昇。9月中旬には三菱UFJのPBRがいよいよ0.9倍の大台に乗った。

「ついにPBR1倍か」。多くのメガバンク関係者が期待したが、これ以降、メガバンクを含む約4割の銀行が9月の年初来高値を超えられない。10月末に日銀が三度目となるYCCの修正を行った際も、株価は小幅上昇にとどまり、メガバンクのPBRは0.7~0.8倍台をうろついた。

「日銀の政策修正を通じた銀行業績への影響は、すでに相当程度織り込まれている」。ある証券アナリストは指摘する。メガバンク株は2022年末から50%超上昇している。これは一般論として、各社の利益水準もいずれ同程度に上昇すると期待されていることを意味する。

今回の好決算も、市場では想定の範囲内だったようだ。三井住友が株売却などで数百億円規模の特別利益を下期(2023年10月~2024年3月期)に計上することを明らかにし、みずほが下期に発表すると見られていた上方修正を上期に公表するなどサプライズこそあったが、大勢に影響はなかった。

最高利益や株主還元では投資家は動かない

反対に投資家の間では、三菱UFJは純利益の通期計画を現在の1.3兆円から1.4兆円超に引き上げるという見方があったものの、今回メガバンクでは唯一上方修正を見送った。同社が発表した4000億円もの自己株買いも、もともとは5月の決算発表時に「上限3000億円での実施を発表する」との観測が上がっていた。

欧米の金融不安を受けて、その発表が5月から延期されたことで、上期決算公表時点の自己株買い発表は、ほぼ確実視されていた。金額についても、「4000億円で及第点。むしろ3000億円では失望売りが出かねない」(市場関係者)と、ハードルはさらに上がった。過去最高水準の利益や株主還元程度では、もはや投資家は動かないようだ。

果たして、メガバンクのPBRが1倍に達する日は来るのか。PBRはROE(自己資本利益率)とPER(株価収益率)の掛け算で示される。つまりPBRを上げるには、資本効率を改善してROEを、または投資家の期待を喚起してPERを向上させることが必要となる。

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