自律神経を整え体を内側から温める「呼吸」のコツ 冷えた手足がポカポカ、試したい「脈所」温熱法
東洋経済オンライン / 2023年11月29日 7時50分
テレビや雑誌などのメディアで健康情報を発信するトレーナーの坂詰真二さんが、疲れない体、引き締まった体、自信がもてる体をつくるメソッドを伝授する本シリーズ。
今回のテーマは体の不調を和らげて、コンディションを整えるトレーニングの5回目、「冬の寒さに負けないコンディション作り」です。
今年は11月に入っても暖かい秋でしたが、それももう終わり。いよいよ寒い冬がやってきます。
【イラストで紹介】自律神経を整え、寒い冬を乗り越える「温活」のための呼吸法
冬になると体の「冷え」に悩まされる人、意外と多いのではないでしょうか。さて、そこで質問です。夏に比べて冬は代謝(基礎代謝)が下がりやすい季節でしょうか? それとも逆でしょうか?
A 下がりやすい
B 上がりやすい
C 変わらない
冬は実はやせるチャンス?
正解は、Bの「上がりやすい」です。
私たちの体には「ホメオスタシス(恒常性の維持)機能」といって、pH(ピーエイチ=酸性度)、血糖値、体液濃度などの内部環境を一定に保つ能力が備わっています。体温も同様で、周囲の温度変化を脳が感知して、暑ければ代謝を下げ、寒ければ代謝を上げ、というふうに体温を一定に保つように働きます。
ですから、寒い冬は代謝の上がりやすい季節で、やせるチャンスなどとも言われるのです。
恒常性の維持は意識とは無関係に、神経系と内分泌系(ホルモン)の働きによりコントロールされていますが、特に自律神経が大きな役割を果たしています。
皮膚が寒さを感じると、その情報が脳の温度調節中枢である視床下部へと伝わります。視床下部は自律神経のうち、運動時や興奮時に働く交感神経を優位な状態にして、筋肉や肝臓のエネルギー消費を増やして、基礎代謝を上げます。それとともに、手足など末梢と皮下の血管を収縮させて熱の放散を抑えます。
いわば、発熱を促しつつ断熱性を高めることで、生命に直結する深部温度が低下するのを防ぐのです。しかし、体が冷えた状態は健康上、決して望ましい状態ではありません。手足や皮下の血管が縮んで、血行が悪くなるからです。
血液は酸素や栄養だけでなく、熱や免疫細胞(白血球)を運ぶ重要な役割があります。したがって、血行が悪くなれば、体は疲れやすくなるとともに免疫機能が低下して、かぜやインフルエンザなどの感染症に罹患しやすくなってしまいます。
我慢を辞めれば冷えない
問題なのは、この体温調節機能が適切に働かず、暖かい場所にいても手足が温まらず、不快な「冷え」が続くことです。
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