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薬の保険適用で変わる「肥満は自己責任」の考え方 運動や食事でもやせられない「病気」という認識

東洋経済オンライン / 2023年12月1日 10時30分

日本でもついに始まった薬による肥満治療。専門家が「肥満治療薬」について解説します(写真:freeangle/PIXTA)

11月15日、厚生労働省はデンマークのノボノルディスク社(以下、ノボ社)が開発したセマグルチド(商品名:ウゴービ)を肥満治療薬として薬価収載を了承した。毎週1回皮下注射する薬で、11月22日から保険適用となった。多くのメディアが報じたため、ご存じの方も多いだろう。

【図】セマグルチドの体重減少を示した臨床研究が掲載された『ニューイングランドジャーナル』

世間では「ダイエット薬」として関心を集め、すでに医薬品卸からは品切れが報告されている。本稿では、肥満治療薬の現状について解説したい。

一升瓶2本半の重さが減る

肥満治療薬が注目を集めたきっかけは、セマグルチドを用いた糖尿病の研究に参加した患者の多くで、体重減少が確認されたからだ。

2021年3月、権威あるイギリスの『ランセット』誌に掲載された国際共同研究には、Body Mass Index(BMI)が27(キログラム/平方メートル、以下略)以上の2型糖尿病患者が登録されたが、セマグルチドを投与された群では、体重が平均で9.6%減っていた。

BMI27は、身長170センチだと体重78キロに相当する。ちょうど、筆者くらいの体格だ。それで体重が7.5キロ、一升瓶2本半の重さが減るのだから、体の負担は軽減される。

問題は糖尿病がない肥満患者に投与した場合に、どうなるかだ。これについても、複数の臨床研究の結果が報告されている。

2021年3月、権威あるアメリカの『ニューイングランドジャーナル』に掲載された臨床研究では、BMI30以上、あるいは27以上で高血圧、高脂血症、睡眠時無呼吸、心血管疾患などの合併症を有する1961人の患者を無作為に2群に分けて、セマグルチドとプラセボ(偽薬)を投与したところ、セマグルチド投与群では投与開始から68週の時点で体重が14.9%も減っていたという。プラセボ群の体重減少は2.5%だから、効果は明らかだ。

副作用の低血糖が起こりにくい

一般的に、これまでの糖尿病治療薬には低血糖の副作用がある。脳は糖分(グルコース)しかエネルギー源として利用できないから、血糖値が下がるとふらふらし、ときに意識を消失することもある。致死的になることもある。

セマグルチドは低血糖の副作用が少ない薬剤と考えられていたが、糖尿病ではない人に投与した場合の安全性は確立していなかった。

薬の副作用は、実際に患者に投与してみないとわからない。つまり臨床試験をするしかない。糖尿病がない肥満患者に対するセマグルチドの安全性については、複数の臨床試験が実施され、いずれの臨床試験でも、重大な副作用が報告されなかった。低血糖についての一定のコンセンサスが確立しているといっていい。

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