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大谷翔平も?「トミー・ジョン手術」が急増したワケ 日本のエースは高校時代から肩肘を酷使してきた

東洋経済オンライン / 2023年12月3日 8時0分

さらに言えば、投打でほぼフル稼働したことで、疲労が蓄積し、投球フォームが崩れ、肘に過度の負担がかかった可能性もあるだろう。

大谷の今回の手術はどのようなもの?

大谷の今回の手術については公開されていないが、報道によれば、2回目の手術は、近年、研究が進んでいる解剖学的な新しい術式で行われた。
2018年に再建した右肘の靭帯は軽症なのでこれは残して、人工靭帯(インターナル・ブレース)を上から補強したとされる。

また、別の報道では、2021年にツインズの前田健太が行ったように、トミー・ジョン手術を行うとともに、人工靭帯(インターナル・ブレース)を補強したのではないか、とも言われている。

前述のTommy John Surgery Listには、1回目の大谷翔平の名前はあるが、2回目はない。これは今回の大谷の手術が、トミー・ジョン手術ではなく、人工靭帯を補強しただけだからかもしれない。

しかし、手術後、報道陣の前に姿を現した大谷は、手術した右手とは反対の左手の手首から白い包帯状のものをのぞかせていた。これが右肘靭帯に使うために、左手の腱を切除した後だとすれば、前田健太のようにトミー・ジョン手術+人工靭帯補強を行った可能性もある。

執刀医は1回目と同じニール・エルアトラッシュ医師。トミー・ジョン手術を考案したフランク・ジョーブ医師の名を冠したカーラン・ジョーブ整形外科クリニックに所属している。またMLBドジャースのチームドクターでもある(それも大谷のFA移籍先ドジャース説の有力な根拠になっている)。

過去にレッズ、ジャイアンツのエースだったジョニー・クエトなど80件以上のトミー・ジョン手術を手掛けている。野球以外でもバスケットのコービー・ブライアントなどの手術も担当した。今やMLB最大のスターとなった大谷翔平は、現在のスポーツ医学の粋というべき最先端の手術を受けたのだ。

来年は打者一本でプレーし、投手としての復活は再来年とされるが、リハビリ期間は前回より縮まり、回復も順調ではないか。そもそもFAになっている大谷が「どこでプレーするか」も大きな問題ではあるが。

「球数制限」「肩肘のケア」が必要

生体力学(バイオメカニクス)の進化や、体格の大型化などで、投手の球速はこれからもアップするはずだ。今季のNPBでもロッテの佐々木朗希に加え、オリックスの山崎颯一郎、山下舜平大、西武の平良海馬などが160㎞/hを超える速球を投げている。アマチュア選手でも、155㎞/hを投げる投手が珍しくなくなった。

当然、それだけトミー・ジョン手術のリスクが高まっていると言える。
こうした投手が、もてる才能を存分に発揮するために、球団、指導者はこれまで以上に「球数制限」「肩肘のケア」などを万全に行う必要があると言えよう。少年期からのケアも重要だ。

また、日本でも靭帯損傷を放置することなく、早期に適切な手術をするべきではないかと思う。

広尾 晃:ライター

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