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陰謀論や「ディープ・ステイト」が流布する理由 ヤニス・バルファキスも指摘する「封建制」到来

東洋経済オンライン / 2023年12月4日 13時0分

ただし、本書は右派のものでも左派のものでもないと語るコトキンは、右派と左派のどちらにもながらく失望を感じてきた。

既存のアメリカの政党政治への懐疑が、コトキンに本書のような考察を促してきたのも事実である。

1952年生まれのコトキンは2014年のあるインタビューのなかで、民主党を支持してきた自身の過去について触れている。1959年から1967年にかけて、のちに大統領となるロナルド・レーガンの前にカリフォルニア州知事を務め、州の近代化に力を尽くした民主党選出のパット・ブラウンが、いかに自分にとって偉大な知事であるかをコトキンは語っている。

しかしコトキンは同時に、現在の自分は政治的なホームを見失ってしまっていることも告白していた。コトキンは、社会的保守は自分としては好ましいと思わず、他方でリバタリアンはあまりにも思考が抽象的で、自分たちの言っていることが多くの人びとに及ぼす影響をわかっていないと述べた。

その一方で、カリフォルニア州の民主党が、ヒスパニックの州民の若い世代の社会的上昇をまったく顧慮していないことへの失望を隠さなかった。

コトキンの失望と関連させるなら、トランプと対峙してきた元下院議長のナンシー・ペロシのサンフランシスコの選挙区(カリフォルニア第11下院選挙区)もそうであるが、カリフォルニア州の民主党の有力政治家が地盤としている選挙区には、裕福な有権者の多い地域が少なくない。

コトキンのカリフォルニア州に限れば、同州の民主党が労働者のための党ではなく、ベイエリアに住む大卒エリートたちのほうを向いているのではないかとコトキンが疑うのもわかる。

そのコトキンは、『デイリー・ビースト』のようなリベラルなニュースサイトにも寄稿を続けている一方、「プロジェクト2025」の賛同組織であり、親トランプの牙城のひとつであるクレアモント研究所のサイト『ザ・アメリカン・マインド』に今年、現在のカリフォルニア州知事であるギャビン・ニューサムを痛烈に批判する原稿を送っている。

ポストバイデンのひとりとも目されることがあるニューサムは、コトキンからみれば、新しい封建制に奉仕する、みせかけの注目株でしかないのである。

近年のリベラルの傾向に批判的な立場

『新しい封建制がやってくる』のなかでも、いくつかの章でとくに垣間見られるように、コトキンは、マイノリティの権利やソーシャル・ジャスティスを重視する近年のリベラルのなかの傾向に、かなり批判的な立場を堅持している。

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