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ゼンショー「9年ぶり増資」で攻勢も、直面する不安 「外食業世界一」を目指し、M&Aを加速

東洋経済オンライン / 2023年12月4日 7時50分

すき家などを展開するゼンショーホールディングスは企業買収により海外強化を図る構えだ(記者撮影)

牛丼店「すき家」などを展開する外食最大手のゼンショーホールディングスが、一段の成長へとアクセルを踏み込む。

【図解】ゼンショーホールディングスの過去の主なM&A実績

同社は11月24日、公募増資と第三者割当増資により最大約500億円の資金を調達すると発表した。発行価格は12月5~8日の間に決め、払込日については同11~14日とする。

新たに発行する株式は521万8000株を予定する。同社が公募増資で資金調達を行うのは9年ぶりだ。9年前の公募増資では約270億円を調達。その資金は、国内外の新規出店や既存店の改装などに充てた。

増資発表後、株価が急落

今回調達する資金は、すべて将来のM&A(合併・買収)に充てる方針だ。2026年3月期までに使用しなかった場合や未使用額が発生した場合には、2027年3月期までに借入金の返済に充当する。

今回、増資後の発行済み株式総数は11月24日時点から約4%増える見通し。この株式の希薄化が株式市場では嫌気され、11月24日のゼンショー株の終値は8742円と前日から138円も下げた。

その後も同社株価は下がり続け、11月30日の終値については8214円と、発表前と比べて7%超も下落している。

ゼンショーはここまで、M&Aを駆使して業容を拡大してきた。1982年の創業当初は弁当屋だったが、同年から牛丼チェーンすき家を展開。

その後、2000年にファミリーレストランの「ココスジャパン」、2002年にハンバーグレストランなどの「ビッグボーイジャパン」、2005年に牛丼チェーンの「なか卯」を次々と買収した。

2018年には、アメリカを中心に持ち帰りずしチェーンを展開する「Advanced Fresh Concepts Corp.」(AFC)を傘下に収めた。

コロナの影響が落ち着いた2023年4月には、ハンバーガーチェーン「ロッテリア」の株式を取得。さらに9月には、ヨーロッパやアメリカで持ち帰りずし店を展開する「SnowFox Topco Limited」(スノーフォックス)を約870億円で買収した。

M&Aをテコに規模を拡大し、2023年3月期の売上高は7799億円と、20年間でおよそ10倍の成長を遂げた。

M&A先として照準を定める企業は?

「フード業世界一」。ゼンショーは経営目標として掲げるこの野望を実現すべく、今後は海外企業のM&Aを積極化する構えだ。日本は人口減少により、市場規模が小さくなることが懸念される。海外での展開強化は、一段の成長を遂げるためには必須だ。

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