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ヤマト運輸の大幅遅延に「私たちができること」 物流2024年問題を前に消費者側の努力も重要だ

東洋経済オンライン / 2023年12月15日 17時30分

先日、聞いて笑ってしまったのだが、某有名企業は物流業者に「ウチの前で待たないでほしい。社会的に叩かれるから」とお願いしたら、その近くの公園にトラックが集合するようになったそうだ。どちらにしても迷惑だ。

だから企業人は、できるだけトラックを待ち時間なく受け入れること。ただ、契約においてジャスト・インで納品することになっているケースがあるだろう。その場合は企業人だけではどうしようもない。

だから、私がいつも提案しているのは、「企業別の待ち時間の公開」だ。これは事実として、納品するときに、どの企業にどれくらい待ったか、物流業者からヒアリングして公開するといい。昨今はドライブレコーダーで録画しているだろうし、あくまで事実として待ち時間を集計して行政が公開するのだ。おそらく、事実とはいえ、改善する企業が多くなるはずだ。

【個人編】

コロナ禍の前、アメリカの物流業者と話して驚いた。配送のときに、アメリカの家庭に荷物をぶん投げている。苦情が来ないのだろうか。ほとんどこない。しかし、来るケースもある。ただ、そのときに対応すればいいし、配送のまずさで商品が故障したら、交換すればいい。この合理的な態度に感動したものだ。

これは盗難も同じだ。置き配を、もっと拡大すればいい。そして、日本のネットメディアには、置き配をすることで盗難の可能性があると指摘するものがある。それは当然だ。では、盗難されたら、そこで新品を配送したらいい。あるいは、盗難が頻繁に確認されたら、その場合に限って、その地域は置き配をやめる、などといった合理的な判断が求められる。

そして、個人としてできることを列記しておこう。

・再配達の回避:指定された日と時間には必ずいるようにしよう。これだけで相当数の手間は減る。

・置き配やポスト投函の増加:置き配でお願いしたり、ポスト投函を増やしたりしよう。ほとんど意味がないのに、サインを要求する配送のお願いは多い。サインを要求しなくても十分なのに、受け手にも配送側にも負担をかけているケースがある。

・配送業者に感謝を伝達:実は数年前なら、私はこんなことは書かなかったと思う。しかし、現実的に配達してくれた人と話すと「感謝されなかったら、やってられないっすよ」と何度か言われた。ということは、もしかすると、私たちができる、最大の物流持続策は「ありがとうございました!」と心を込めて述べることかもしれない。

たぶん、相当数の方が幼稚なことを言うな、とお怒りかもしれない。でも、私は真剣に言っている。今度、みなさんの会社や家庭に来てくれた物流業者に感謝を伝えてみないだろうか? 「ほんとうにありがとうございました」と言うだけで、多くの物流業者を救うだろう。これは本気である。

坂口 孝則:調達・購買業務コンサルタント、講演家

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