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小学校受験に「落ちる子」「受かる子」の決定的差 指導者からみると「一目瞭然の違い」がある

東洋経済オンライン / 2023年12月20日 7時0分

たかが輪つなぎ、されど輪つなぎ。シンプルですが、奥が深いものです。

輪ゴムを使う問題ではどんなことを見ているのか

生活面の自立度合いを見る「輪ゴム」使い

「輪ゴム」を使う問題もよく出ます。昭和の時代にはよく「輪ゴム」を使っていましたが、最近はテープやクリップ、ワイヤーリボンなど、おしゃれなものが多く出回って、あまり輪ゴムが身近ではなくなっているように思います。

そんな輪ゴムですが、小学校入試では「輪つなぎ」と同じく「巧緻性」の分野を見るためによく登場します。「画用紙を丸めて輪ゴムで留める」「5~6本の色鉛筆を輪ゴムでまとめる」など。

伸び縮みするゴムをうまく片手の指で扱いながら、まとめる紙や色鉛筆をもう片方の手で持っていなければなりません。大人には簡単なことですが、初めての子どもには、なかなか大変なことなのです。

「ゴムつなぎをする」という課題もあります。ゴムつなぎとは、昭和の時代に「ゴム跳び」に使ったゴムのように輪ゴムをつないで長くしていくもので、数秒間で何個つなげられるかを競います。輪ゴムを上手に扱えるかどうかで、その子の手先の器用さや、生活の場面での自立度合いを見ているのです。

図形感覚を養えるパターンボード

また、図形的な課題では、碁盤のように縦横に規則的に並ぶくぎに輪ゴムをひっかけて図形を作る「パターンボード」(というおもちゃ)を使ったものがあります。

お手本と同じ図形を輪ゴムで作ったり、難易度の高い課題では、左右対称や、回転した図形を作ったりします。カラフルな輪ゴムを使って、重ねていく順番を正確に再現させる課題もあります。楽しみながら手指の器用さとともに図形感覚が身につくので、遊びの1つとして取り入れるのもおすすめです。

「紙をちぎる」もしばしば出題されます。紙を「ちぎる」のが苦手な子どもは、案外多いものです。「ちぎる」は、両手の親指と人差し指で、紙をつまんで、右手と左手の親指がくっついた状態のまま、用紙を分ける作業です。初めは右手と左手が離れてしまって、勢いよく「やぶる」になってしまいます。

描かれた線に沿って「ちぎる」場合には、線に沿って指を少しずつ移動していく慎重さ、画用紙などの厚い紙の場合には、指先にしっかりと力を入れる必要があります。集中力と根気が必要です。

入試問題になるのは、最後までやりとげる根気を見るため? 線に沿ってちぎり続ける慎重さを見るため? 指先が自分の思うように使えることでさまざまな作業がスピーディにできる可能性があり、知能も発達しているから? 文字を書くのには、指先の力が必要だから? 実は、そのどれもが当てはまります。だから、よく出題されるというわけです。

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