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中国の「朱雀2号」ロケット、衛星の軌道投入に成功 民営のランドスペース、後継機「朱雀3号」も開発

東洋経済オンライン / 2023年12月25日 17時0分

「朱雀2号」は衛星3基の軌道投入に成功し、商用ロケットとして大きな成果を上げた。写真は12月9日の打ち上げの様子(撮影:財新記者 丁剛)

12月9日午前7時39分、液体酸素とメタンをエンジンの推進剤に使う「朱雀2号遥3」ロケットが中国の酒泉衛星発射センターから打ち上げられ、搭載した3基の商用衛星を予定の軌道に送り込むことに成功した。

【写真】「朱雀3号」は打ち上げ能力を大幅に増強すると同時に、機体の一部を再利用可能なロケットを目指す。写真は完成イメージ図

「朱雀2号」は中国の民営企業の藍箭航天空間科技(ランドスペース)が開発した2段式ロケットで、機体は全長49.5メートル、直径3.35メートル、重量220トン。高度2000キロメートル以下の低軌道に1.5トンの衛星を運ぶ能力を持つ。

2026年には年12回打ち上げへ

5カ月前の7月12日、ランドスペースは「朱雀2号遥2」を打ち上げ、液体酸素メタンロケットとして世界初の軌道投入に成功。しかし商用衛星は搭載していなかった。今回の打ち上げは、朱雀2号にとって2回連続、商用衛星を搭載した状態では初めての成功となった。

ランドスペースは、2024年に朱雀2号の打ち上げを3回計画している。その後は毎年倍増させ、2026年には年間12回打ち上げる計画だ。

今回の打ち上げ成功の直後、ランドスペースは後継機として開発中の「朱雀3号」の概要も公表した。

エンジンの推進剤には(朱雀2号と同じく)液体酸素とメタンを使い、機体を全長76.6メートル、直径4.5メートル、重量660トンに大型化。低軌道への衛星運搬能力は21.3トンに増強され、しかも機体の一部を(打ち上げ後に)回収して再利用できる設計になっている。

液体酸素メタンが今後の主流に

液体酸素とメタンの組み合わせは、ロケットの推進剤としての効率が高く、燃焼がクリーンで、製造方法も容易だ。低コスト化が求められる商用ロケットにとって多数のメリットがあり、将来は推進剤の主流になると期待されている。

「今後5年間で、中国および世界の商用ロケットの推進剤はすべて液体酸素メタンに置き換わるだろう」。ランドスペースの創業者でCEO(最高経営責任者)を務める張昌武氏は、そう予想する。

(財新記者:黄晏浩)
※原文の配信は12月9日

財新 Biz&Tech

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