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ロジカル思考を過信するコンサルが失敗する理由 人は正論だけでは動かず感情変化がポイント

東洋経済オンライン / 2023年12月27日 13時0分

これはやや極端なエピソードですが、ロジカルシンキングを重視すると、「正しさを求めすぎてしまう」という弊害が起きます。

論理による裏付けを重要性や緊急性などと関係なく求めてしまい、どうでもいいことに対しても“理屈っぽく”なってしまうのです。

あなたも「この人が言っていることは正論だし間違いないけど、どうも気に障るからやりたくない」などと思ったことはありませんか?

私はこういったタイプの人を、「論理的思考の失敗例」と呼んでいます。

人が動くのは「感情に変化が起きたとき」

人は正論だけでは決して動きません。人が動くのは感情が動いたときです。「欲しい」とか「それがやりたい」とか「腹が立つ」「マズい」といった感情変化が起きたときに行動します。

例えば、あなたがデパ地下でついスイーツを衝動買いしてしまったときに、どんな感情が動いたかを考えてみてください。
「お腹が減っていたので、すごく美味しそうに見えた」
「『限定』という言葉に釣られて、つい欲しくなった」
「SNS映えしそうなインパクトがあった」
「これを買って帰ると家族が喜ぶと思った」

こうした、「空腹を満たしたい」「もう買えなくなるかも」「家族の喜ぶ顔が見たい」といった感情の変化が、あなたに「スイーツを買う」という行動をとらせます。

ビジネスの場面でも同じです。
「この商品なら安心して部長に決裁してもらえる」
「この人は信頼できるし安心感がある」
「こんなに頑張ってくれて心打たれた」
「いい案だけど、横柄な態度が気に食わないから断ろう」
といった具合に、感情が動くことでそれぞれ行動に繫がっています。

そのような人間の本質的な衝動に対して、ロジカルシンキングは“感情への訴求”がものすごく弱いのです。

なぜなら、論理的な結論を導き出す時点では、感情を排除する必要があるからです。

「A案とB案があり、データに基づくと明らかにA案のほうが売り上げは上がりますが、A案は嫌いなので今回はB案を採用します」なんて結論の出し方をしたら、データを分析する意味などありません。

だからこそ感情を排除し、あくまで事実やデータファーストで意思決定を行います。

相手に「なるほど」と言ってもらえることを目指す

しかし、感情を排除して論理的に正しい結論を導き出したところで、今度はそれだけでは相手が動いてくれません。

では、相手に動いてもらうにはどうすればいいか? 

そのためには、「論理的に考える」+「相手の感情や状況をロジックに取り込む」ことが必要となります。

これは言い換えれば、「説得」と「納得」の違いです。言葉は似ていますが、2つの違いは主語を考えるとすぐにわかります。「説得」をするのは誰か? そう、これは伝える側の行為です。

一方で、「納得」するのは誰でしょうか? そう、こちらは説明を受ける側の行為です。

私は説明するときはいつも、「相手から『なるほど!』と言ってもらうにはどうすればいいか?」と、意識しています。

単純ですが、相手が納得するということは、「なるほど!」という感情を引き出すことだからです。

正論を振りかざして「説得」をするだけでは、話し手が主体なので、いつまでたっても相手に行動してもらえません。

そうではなく、相手目線に立ち、相手の「納得」を意識して伝えることで、こちらの主張を受け入れてもらいやすくなるのです。

しゅうマナビジネス :コンサルタント

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