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「えっ?」 "ラーメン王国"は意外な県だった! 支出金額を見ると「東高西低」の傾向がわかる

東洋経済オンライン / 2023年12月30日 16時0分

首都圏や近畿圏、それに博多や札幌といった、ラーメンで有名な大都市では、繁華街を少し歩いただけでもラーメン屋がたくさん見つかるので、「あれ?」と思われた方も多いのではないでしょうか。これらの都市には確かにラーメン屋の激戦区がありますが、圏域全体として見ると、人口に対して店舗数が少なく、1世帯あたりの支出額もそれほど多くないのです。

改めて、近畿から東北あたりをクローズアップして「昼間人口1万人あたりのラーメン店舗数」を見てみます(下図)。新潟県の上越、中越から秋田県の南部にかけて密集したラーメン店を確認できます。喜多方や米沢、酒田など、ラーメンで有名な町の位置関係もおさらいできましたね。

なぜ「山形県」がラーメン王国になったのか?

東北地方の中でも「ラーメン王国」と言われる山形県では、県内ほぼすべての市町村が「真っ赤」に。その理由には諸説ありますが、「来客へのおもてなしとしてラーメンの出前を取るようになった結果、蕎麦屋でもラーメンを出すようになった」とか、「冬場の寒さから熱々のラーメンが、夏場の暑さから冷やしラーメンが好んで食べられるようになった」という説が一般的に支持されています(※2)。

このように、自然発生的にラーメン文化が根付いた山形県では、各地のご当地ラーメンに地場の食材がふんだんに使われ、非常にバラエティに富んでいます。

歴史的な経緯から庄内、最上、村山、置賜の4つの地域に分かれ、多様な食文化に恵まれた山形県。今回は紙面の都合で割愛しましたが、県内のご当地ラーメンの勢力図を可視化できると、各エリアの食や農業の歴史を垣間見ることができるかもしれません。現地を旅しながらトライされてみてはいかがでしょうか?

「食文化」を地図から見てみた

下図は「あるジャンル」の飲食店の数(昼間人口1万人あたり店舗数)を可視化したものです。中国地方から近畿地方にかけて「赤い」地域が広がっていますが、いったい何のお店でしょうか……?

答えは「お好み焼とたこ焼き」、いわゆる「粉もの」のお店です。お好み焼きは広島風と関西風が有名ですが、豚バラ肉の代わりに豚ひき肉を使ったもの(広島県府中市)、ちくわや牛肉など具材に特徴のある「三津浜焼き」(愛媛県松山市)など、ご当地オリジナルの進化系も見ることができます。

◎山形県のバラエティ豊かなご当地ラーメン
・とりもつラーメン(新庄市):鶏のもつ煮が特徴。
・酒田のラーメン(酒田市):日本海の海の幸を活かした魚介系スープが特徴。
・冷やしラーメン(山形市):夏の暑い気候から生まれたご当地ラーメン。
・赤湯ラーメン(南陽市):味噌ベースのスープと辛味噌で体が温まる。
・米沢ラーメン(米沢市):米沢牛や米沢豚などの地元産の肉を使っている。

※1:昼間人口にはさまざまな定義がありますが、ここでは携帯電話等の匿名位置情報から推定した2021年11月、平日昼間の市区町村別滞在者数を使用。出典は国土交通省『全国の人流オープンデータ』

※2:『地域再生計画 日本一の麺文化を活用した地域活性化事業』

にゃんこそば:データ可視化職人

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