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「東京がすごかった時代」と既に始まっている衰退 富裕層のための再開発に哀愁が漂う

東洋経済オンライン / 2024年1月2日 19時0分

JR中央線の駅を適当に降りたとしても活気に溢れ、駅前の繁華街は世界中の料理を食べることができる。東京を起点に東京ディズニーリゾート、横浜中華街、江の島、鎌倉、熱海、伊豆などへも良好なアクセスがある。

人口約420万人を擁する多摩地区

そして、「東京都下」と格下扱いされつつも、日本9位の福岡県(512万人)と10位の静岡県(約358万人)の間に入るのが、人口約420万人の多摩地区である。観光ガイド本『地球の歩き方』の「多摩地域」版が出た理由も納得できる。

とにかく世界有数の大都市である東京は1960年代から輝き始め、そして1980年代に星の中でもっとも明るい一等星であるシリウスのごとく燦然と白く輝き、以後衰退を続けて赤き一等星の中の老星・ベテルギウスのようになったのである。

そして、今も人を惹ひきつける都市ではあるが、正直この街の混雑度合、競争の激しさに精神をやられてしまった人はそこそこいるのではなかろうか。

もちろん魅力的な都市ではあるが、世界における相対的な魅力でいえば年々そのランクを落としていることだろう。「衰退途上国」とも揶揄される日本において、東京は最後の希望なのかもしれないが、もうイケてる街ではない。ある程度の基盤をこの街で作った後はどこか別のところへ行く方がいいのでは、と50歳を目前にして考えるようになったのだ。

そして、今、東京が新たな都市開発をしているのを見ると、どことなく哀愁を感じてしまう。

2023年4月14日にオープンした東急歌舞伎町タワーは、地上225メートルの中に高級ホテル、ライブハウス、劇場が完備されたバブルっぽさと人間のプンプンとした欲望が凝縮されたような施設である。ここで日常的に遊べる人はわずかだろう。もちろん足を踏み入れるだけならばタダだし、海外オタクが好きそうなガチャポンをGETする程度ならばできるが。

日本人は豊かではない

もう、日本人は貧乏なのだ。2021年の東京五輪と2023年の野球の世界一決定戦・WBCの時期は、「海外の記者が日本のコンビニスイーツのレベルに感激!」的な記事がネットに多数登場。この手の記事がアクセスを稼ぐことを知った各メディアは、WBC後もJリーグの「スタジアムめし」を外国人が絶賛している様を紹介した。

その中でも特に哀愁が漂ったのが、カツ丼が1500円(12ドル)であることにアメリカ人が「このクオリティで12ドルは安い! MLS(米サッカーリーグ)だと37ドルはするぜ!」と書いた。

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