子どもを生成AIを使いこなせるよう育てるには? 「AIに取って代わられる人」にならないために
東洋経済オンライン / 2024年1月4日 17時0分
ご覧のとおり、知識が編集されていて非常にわかりやすい。
しかし、こうした低次思考的な使い方ではGoogle検索や「ウィキペディア」と大して変わりません。「アイデアの壁打ち相手にできること」こそが生成AIの画期的な点ですから、単なる検索エンジンやウェブ事典的な使い方をするだけでは宝の持ち腐れなのです。
何より大きな問題として、生成AIは時として大きく間違えることがあります。生成AIの仕組みである「大規模言語モデル(LLM)」とは、ざっくりいうと、大量のデータ学習をし、それらをパターン認識して答えを生成するというものです。
ですから、学習したデータ量が十分でない分野の問いを投げかけられたときには、少ないデータを使って何とかパターン認識をひねり出し、その結果、とんでもない「事実」を捏造することがあるのです。これは「生成AIの答えを鵜吞みにしてはいけない」理由として、世間でもよく指摘されています。
そう考えると、「生成AIは何を聞いても一瞬で答えを出してくれる」と錯覚しがちですが、ユーザーが正誤を見極められない未知の知識や情報を調べるツールには実は適切ではないといえます。生成AIに「正解」を期待してはいけない。これが生成AIに対する正しい態度なのです。
そこで考えたいのが、高次思考的な生成AIの使い道です。端的にいえば、高次思考とは「正解のない問い」について考えることです。先の「第一次世界大戦は、いつ、いかなるきっかけで起こったのか」という問いには明確な正解があります。
「正解のない問題」を生成AIと共に考える
しかし、「戦争の是非とは?」「世界から戦争をなくす方法はないのか?」といった問いには、価値観や立場によって異なる意見がありうるので、絶対的な正解はありません。このように「正解のない問い」について考えなくてはいけない局面が、実社会では多々あります。
学校のテスト問題には、たいてい「正解」がありますが、社会に出たら「正解のある問い」のほうが圧倒的に少ない。「どんな商品が売れるか」といったビジネス的な問いから、「何をして生きていくか」といった人生の問いまで、ほとんどの問いには正解がないといってもいいくらいではないでしょうか。
つまり、実社会では「すでにある正解を出す力」よりも、「正解のない問いについて考え、自分なりの正解を導く力」のほうが重要である。その反映というべきか、大学の入試問題にも、「正解のない問い」について「自分なりに考えた正解」を述べる高次思考を試す問題が見られるようになっています。
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