血圧乱高下で命の危険「ヒートショック」対策5つ 夏の健診「血圧問題なし」の人、冬にも一度測定を
東洋経済オンライン / 2024年1月4日 10時0分
夏に健康診断を受けている人も多いだろう。そんな人は、こんな落とし穴があるようだ。
「血圧は気温だけではなく、時間帯や環境、心理的なものによっても変動しやすいもの。高血圧と診断されていない人でも、ドラッグストアや薬局で血圧計が設置されているのを見つけたら測定するなど、こまめに血圧を測定する習慣をつけ、ご自身の血圧の状態を知っておくといいと思います」(鳥羽医師)
血圧は医療機関で測定した場合、上が130mmHgを超えると(自宅では125mmHg以上)、高血圧の一歩手前で注意が必要となり、生活習慣を改善することが望ましい。
やはり気を付けたいのは、塩分の摂りすぎだ。先にも述べたが冬は特に塩分過多になりがちなので、意識して減らすように心がけたいところだ。
「鍋物はいろいろな食材を入れられるので、栄養バランスが整いやすいのですが、市販の鍋の素などを使用すると塩分量が多くなりがちです。野菜を多めに入れて薄めたり、スープはなるべく飲まないようにしたりすることをおすすめします」
と鳥羽医師。食事以外の対策としては、「寒いと引きこもりがちになりますが、自宅でできる運動なども取り入れるといいでしょう」と話す。
40代男性の3~4人に1人が高血圧
高血圧は高齢者に多いという印象があるが、男性は40代になると3~4人に1人は高血圧を発症している。女性は少し遅く、閉経後の60代から血圧が高くなりやすい。
さらに男性の場合、50代になると高血圧が背景にある心筋梗塞や脳卒中なども増えてくるので、注意が必要だ。
「特にたばこを吸う人はそのリスクが高まります。ストレスや睡眠不足も血圧を上げる原因になります。40~50代だと自分が高血圧であるという自覚がない人もいるかもしれませんが、これらに当てはまる人は特に意識して血圧を測定してほしいと思います」(鳥羽医師)
冬の血圧についてもう1つ問題となるのが、ヒートショックだ。
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動することで起きる有害な反応のこと。暖かい室内から寒い場所に移動したときなどに起こるが、特に重大な事故につながりやすいのが、入浴時だ。
暖房が利いた部屋から寒い脱衣室に移動して衣類を脱ぐと、血圧が一気に上がる。その後、温かい湯船につかると血管が広がり、今度は血圧が急低下する。
この血圧の乱高下によって、一時的に脳に血液が回らず、意識を失うと最悪の場合は溺死する。血圧の乱高下が脳卒中や心筋梗塞を引き起こすこともある。
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