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「イカゲーム」バラエティがヒットした2つの理由 6億円以上の賞金でドロドロの人間社会を描く

東洋経済オンライン / 2024年1月6日 15時0分

ゲームはお約束の巨大な少女型ロボットが登場する「だるまさんがころんだ」から始まります。456人のプレイヤーは番号付きのあの緑のジャージを着て、監視員は図形が書かれたマスクを被る赤いつなぎ姿です。ドラマを厳密に再現された空間の中で、浮かれている参加者の姿も映し出されています。過去にアメリカ人のYouTuberが350万ドル(約4億9000万円)もかけて「イカゲーム」パロディを作り、拡散されたケースもありましたが、公式バラエティ版はさらに大真面目にふざけています。

脱落を意味する抹消の瞬間はくだらなく思えるほど。ドラマではゲーム中、少女型ロボットが振り返った時に少しでも動いていれば、容赦なくその場で参加者の命は奪われます。これをバラエティ版で限りなく忠実に演出しているのです。詳細はあえて伏せますが、超安全な方法ですから安心してください。

ゲーム会場に向かうカラフルな階段もほぼ同じ、数階建てのベッドが並ぶ寝泊まりする部屋も再現度が高く、流れるクラッシック音楽も一緒です。スローモーションで見せるゲームプレイのシーンまで本家に従っています。ドラマの「イカゲーム」のセットデザインや演出がいかに長けていたのか改めて感心してしまいます。

回が進んでいくと、バラエティ版に慣れた視聴者を飽きさせないためか、ドラマに登場しない子ども向けの昔遊びをモチーフにしたゲームや脱落者を決めるバラエティ版独自のルールも増えてきます。そんななか、ふたたび驚かされるのが橋ゲームです。ドラマで見たままの「普通のガラス」と「強化ガラス」が交互に並ぶ橋があり、普通のガラスを選ぶと真っ逆さまに落ちてしまいます。渡る順番決めから少々もったいぶりながら、バラエティ版の見せ場の1つになります。

「ボス潜入」を手掛けた制作会社

では、バラエティ版もヒットしたもう1つの理由とは、人間関係に焦点を当てた点です。集団の中で人はどう動き、どう生きるのかをとことん見せていくので人間観察番組とも言えます。ジャンル分けするとリアリティショーの類なのです。先が読めないなか、人間関係が複雑化していくので中毒性があります。ただただサイコロを転がすゲームでさえ、うっかり惹きこまれてしまいます。

面白さのカギとなる人間関係にバリエーションを持たせたキャスティング力にも長けています。年齢から性別、セクシュアリティ、人種、頭脳、体力、職業までさまざまです。母親と息子で参加している2人は中でも目立ちます。参加した理由もドラマ版のように賞金目当てだけに限りません。非日常感を楽しみたいという優雅なものまであります。

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