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台湾総統選挙「だから私はこの人に投票する」 台湾選挙のリアル①・三つ巴の戦いで有権者は

東洋経済オンライン / 2024年1月10日 19時0分

それは同性婚に関する態度だった。2017年、台湾の最高裁判所となる司法院大法官会議が「同性愛者の結婚を制限することは違憲」と判断し、同性婚を許容する法案を制定せよとの判決を出した。

2018年には「民法、あるいは特別法で同性愛者カップルの結婚を保障すること」と、「性平等教育に同性愛者の内容を追加すること」の賛否を問う国民投票も実施された。

これに対して柯文哲は、自身のフェイスブックで「基本的人権と普遍的価値を多数決で決めてはならない」との理由で、「無効票」を投じたと打ち明けた。

ところが今回、民衆党は公式フェイスブックで「柯文哲の台北市政府のチームが全国で初めて同性婚の憲法請願を提出した」と主張、自身を多様性と少数者を包摂する人間だとアピールしている。

「民進党政権の8年間で経済はよくなった」

これに対して劉さんは、「同性婚に対して自分の立場を明らかにしなかったり、反対することはかまわない。さまざまな立場にそれなりの支持者がおり、その立場をきちんと説明すればよい。しかし、柯文哲は最初は回答を避けながら、市長に再選されると反同性愛者を台北市の性平等教育委員会の委員に任命した。今になって自分が同性婚を認めさせたかのように話す。こんな言行不一致には、これ以上がまんできない」と言う。

劉さんは今回、民進党の賴清徳に投票すると打ち明ける。彼は「性少数者の権益改善、社会住宅(公営住宅)など住宅問題の解決など、満点ではないが、民進党がこれまで改善に努力してきたことを支持する」と理由を説明する。

経済面でも、劉さんは評価している。現在は広告会社に勤務しているが、これまでどれくらいの給料をもらってきたかを教えてくれた。

「国民党の馬英九総統時代(2008〜2016年)の大学生時代、大卒の平均月収は2.2万〜2.5万元(約10万〜12万円)だと聞いていたが、私が新卒で就職した2018年には3.6万元(約17万円)だった。現在は5万元(約23万円)を超えている」

経済面で中国に依存しなかった8年間の経済状況は、かつて中国との協力を強調した国民党政権のときよりもよくなったと、劉さんは評価する。

しかし最近の経済状況、とくにサービス業は萎縮したままだという見方もある。

台湾中部・彰化で有名なレストランを18年経営している施泓洋さん(60)は「内需は李登輝政権末期からずっと右肩下がりだ。2008年に馬英九政権になった後から両岸(中国と台湾)の交流が高まり、大陸から観光客も入ってきた。そのときはわずかだが右肩上がりに転じた」と言う。

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