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冬場の「浴室での突然死」を防ぐ超シンプルな方法 大切な家族を守るための「血流改善」習慣とは

東洋経済オンライン / 2024年1月14日 21時0分

湯温は自分の肌感覚だけではなく、「数値」で見て把握しておくべきです。

また、高温のお湯につかることは、入浴のメリットであるリラックス効果を妨げてしまいます。お風呂でリラックスするかどうかは「交感神経」と「副交感神経」の働きと深く関連し、湯温がその切り替えスイッチのような働きを果たしています。

副交感神経の働きが高まれば、精神的に落ち着き、末梢血管も拡張し、血圧は下がっていき、血流が向上。心臓の負担も軽くなります。

一方、交感神経の働きが過度に高まると末梢血管が収縮。末梢の血流が落ちるため、心臓はより多くの血液を循環させようと負担を強いられながら、働くようになります。当然、血圧は上昇してしまいます。

お湯がぬるめか、熱めかによって、入浴時に交感神経と副交感神経のどちらの働きが高まるかが決まるわけですね。

私のおすすめは、断然ぬるめです。

ぬるめの湯温とは、冬なら40℃、夏なら38℃。一方、41℃以上が熱めの湯温です。

体が疲れているときは、ぬるめのお湯に10分ほどゆっくりつかりましょう。

これで副交感神経が働き、末梢血管が拡張。入浴から5分経過すると、白血球、リンパ球、がん細胞を倒すNK細胞など免疫力を支える免疫細胞が増えることがわかっています。

もちろん、血流も整い、体のすみずみまで栄養と酸素が行き届き、疲労物質も回収・排出されるので、疲れが軽くなります。

第二の心臓を動かす「足先クイクイ体操」

みぞおちまでの湯量、ぬるめの湯温と入浴時のポイントをお伝えしてきましたが、最後に、お風呂でできる「血流アップ体操」をご紹介します。

その名も、「足先クイクイ体操」。

湯船につかり、足を伸ばして(伸ばせない浴槽なら、入浴後に行ってもOK)、つま先を上、前、上、前と、クイ、ストン、クイ、ストンと前後に10回ずつ動かします。

そうすると、すぐに「第二の心臓」と言われるふくらはぎの筋肉がググッと動いているのを感じるはず。温まり、血流のアップしている体に対して、さらなる刺激を加え、すっきりと疲労物質を洗い流す効果が期待できます。

ちなみに、この「足先クイクイ体操」には中高年の女性に多い「深部静脈血栓症」を予防する効果があります。深部静脈血栓症は、別名「エコノミークラス症候群」と呼ばれ、亡くなる方も少なくない怖い病気です。

飛行機や自動車などの狭い座席に長時間座り、立ち上がって歩き出したときに呼吸困難に襲われ、倒れてしまう。飛行機の乗客だけでなく、タクシードライバーなど、座りっぱなしの状態が続いた方が多くこの症状に見舞われています。

同じ症状は、手術後に入院する場合があるICU(集中治療室)でも発生しやすく、医療関係者は大いに注意を払っています。特に、しばらく寝たきりで過ごす患者さんの足には、電動でふくらはぎをもみあげていくフットポンプと呼ばれる機器を取りつけることも。

血液がスムーズに流れることは、体にとってそれだけ大切なことなんです。

富永 喜代:富永ペインクリニック院長、医学博士、日本麻酔科学会認定麻酔科指導医

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