日本製鉄、剛腕トップが新社長に託したミッション 脱炭素とグローバル化で狙うのは総合力世界一
東洋経済オンライン / 2024年1月15日 7時0分
さらに、この2カ所の電炉転換のメドを2030年とする一方、技術的・経済的なハードルが高い高炉での水素還元は2040年以降を目指し開発を進める考えを示した。
USスチール買収に自信
脱炭素とともにテーマとなるのがグローバル化の推進だ。
日本製鉄は、顧客である日本メーカーの海外進出に応じる形での海外展開を進めてきたが、「『客を追って』というのは本当の意味での海外展開ではない」(橋本氏)。
橋本体制では、2019年に欧州アルセロール・ミタルとの合弁でインド鉄鋼大手を7700億円で買収。2022年には日本製鉄単独でタイの電炉メーカーを買収したほか、昨年12月にはアメリカの老舗鉄鋼メーカー、USスチールを2兆円で買収することも決めている。
ただ、USスチール買収は全米鉄鋼労働組合(USW)や一部の政治家が反対しており、関係当局の承認取得など先行きを見通せない状況だ。そのような懸念に対し、橋本氏は次のように自信を示した。
「(日本製鉄には)技術の優位性があり、100%子会社なら技術を全部出せる。お金も持っていく。組合との関係はUSスチールが結んでいる労働協約を100%守る。(日本製鉄は)アメリカにほとんど輸出していないので市場占有率も高まらない。アメリカにとってマイナスはない」
「経営責任を引き続き全うする」
USスチールを含めた海外の大型投資にメドをつけるまでは、CEOとして橋本氏が「経営責任を引き続き全うする」ことになるようだ。
日本製鉄が掲げる「総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカー」の目標。橋本氏は5年間で設計図を描いてみせた。「実際に完成させて名実ともに日本製鉄を総合力世界ナンバーワンにするのが務め」と今井氏は話した。
「剛腕」と呼ばれる橋本氏と「技術系」の今井氏。まずは二人三脚で目標に向かって歩を進めることになる。
山田 雄大:東洋経済 コラムニスト
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