1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

「スマホで操作できるEV」中国で激化する勢力争い 有力メーカー3社が独自OSをEVに搭載し話題に

東洋経済オンライン / 2024年1月16日 12時20分

2023年10月にはIT大手バイドゥ(百度)が出資する威馬汽車技術(WMモーター・テクノロジー)が破産申請に追い込まれた。2024年は日本や欧州の自動車メーカーの中国市場へのEV投入が本格化し、弱肉強食がより鮮明になると予測されている。

シャオミに勝算はあるのか。スマホを展開する同社は若年層に強力なファン基盤を持ち、それなりに善戦するとの分析はあるが、テスラのモデル3、モデルYも年明け早々に値下げしており、SU7がベンチマークにしたモデルSとタイカンのターボSと同水準の1000万~2000万円台に設定するのは現実的でないだろう。

SU7の価格はまだ公開されていないが、スマホと同じようにお得感を打ち出す価格になるのではとの声が多い。

自動車業界のアンドロイド陣営

シャオミは2023年10月に自社のスマホ向けOSを刷新した「HyperOS」をリリースし、SU7にも搭載した。

EVの市場拡大と競争激化で、差別化のカギになるのが自動運転機能などソフトウェアだと言われる。

自動運転が進むとドライバーは運転以外にさまざまなことができるようになる。EVが「走るスマートフォン」に向かう過程で、自動車メーカーとスマホメーカーの距離もぐっと近づいている。

自社のOSや自動運転技術を外部に提供せず、EVメーカーとして世界上位を目指すシャオミに対し、ソフトウェアを自動車メーカーに開放し共存共栄の道を探るのがファーウェイ(華為技術)だ。

ファーウェイはアメリカ政府の規制を機に自動車ビジネスに本腰を入れるとともに独自OSの開発を加速、2020年に「HarmonyOS」を発表した。

2022年には中堅自動車メーカーの賽力斯集団(セレス・グループ)と共同開発し、HarmonyOSを搭載したSUVのEV「AITO(問界) M5」を発売した。

同車種はファーウェイのスマホやスマートウォッチと相互接続され、車内カメラでビデオ通話したり、スマートウォッチを自動車のキーとしても利用できる。

2023年前半までは目立った実績を残せなかったAITOブランドだが、同年9月にマイナーチェンジして発売したSUVタイプのPHV「M7」が発売2カ月半で10万台の受注を達成し、12月下旬に発売した50万元(約1000万円)前後の「M9」は予約が3万台を超えるなど、勢いを強めている。

マーケへの関与を強めたファーウェイ

ファーウェイは当初、サプライヤーの役割に徹するとしていたが、しだいに開発やマーケへの関与を強め、ファーウェイのOSを搭載する複数の自動車メーカーと統一ブランド「鴻蒙智行(HIMA, Harmony lntelligent Mobility Alliance)」を立ち上げ、自動車関連事業を分離して新会社を設立すると昨年11月に発表した。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください