恐竜学者「化石がある」ならウズベキスタンへも まさかの"ボウズ"から一転、新種の恐竜発見
東洋経済オンライン / 2024年1月17日 16時0分
「木の幹の化石が見つかるということは、当時ここが陸地だったということ。恐竜化石が見つかっても不思議じゃないよ。もう少し探そう」
恐竜学者は“ボウズ”のときどうするか
考えてみれば、これはとてつもなく幸運なことである。ウズベキスタンで恐竜研究ができるチャンスなんてなかなかない。
まだこれまで誰も、恐竜化石を見つけていないウズベキスタンのフェルガナ盆地で、日没まで化石探しに没頭できるのだ。最高の贅沢である。オタベック君のおかげで、新しい研究の扉が開かれようとしている。それをみんなの力でこじ開けよう。
フェルガナ盆地の南部に移動し、崖の上に立つと、体の奥から嬉しさがこみあげてきた。眼下には恐竜時代とされる地層が果てしなく広がっている。遠くには蛇行した川が見える。
その先にある山を越えたらもうキルギスだ。白い地層に挟まれた赤くて薄い地層が褶曲によってゆらゆらと波打ち、まるで横たわったドラゴンのようにどこまでも伸びている。
風がやみ、音が消えた。大きく息を吸うと、土の匂いが鼻を抜ける。一体、これまでに何人の研究者がこの地にたどり着くことができたのだろう。湧き上がる高揚感とともに、崖をゆっくりと下り、化石を探しに行く。
フェルガナ盆地での調査を終えた私たちは、手ぶらで帰ることになりそうだった。残念だが仕方がない。釣り人はボウズ(釣果ゼロ)のとき、魚屋に寄って帰るという。恐竜学者がボウズのときはどうするのか。
私たちは、首都タシケントの地質博物館に立ち寄った。ビルの間に挟まれた、石造りの小さな地質博物館だ。この博物館には、ウズベキスタン中央部のキジルクム砂漠で見つかった約9000万年前の恐竜化石がいくつか展示されている。私たちが野外調査をしたのは東のフェルガナ盆地だから、キジルクム砂漠はまた別の地域だ。
キジルクム砂漠は古くから恐竜化石がたくさん見つかる地域として知られている。ウズベキスタンは海と接していない内陸の国だが、白亜紀のウズベキスタンには海があった。その証拠に、キジルクム砂漠では恐竜化石と共に、サメの歯などの海洋生物の化石も見つかる。
当時、ヨーロッパは大小さまざまな大きさの島だったため、ウズベキスタンはユーラシア大陸の西の端にあって、海岸線沿いに恐竜たちが暮らしていたようだ。その恐竜たちが土砂に埋まり、今日、キジルクム砂漠で化石を見つけることができる。
実は東のフェルガナ盆地で野外調査をしていた時も、海の痕跡がたくさん落ちていることに気が付いていた。二枚貝やサメの歯の化石をたくさん見つけ、失われてしまった大海が確かにそこにあったことを実感した。遠い昔に思いを寄せ、貝化石を耳にあてた。砂がこぼれた。
この肉食恐竜は新種かも
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