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ドーミーインが「夜鳴きそば」を提供し続ける理由 15年間変わらぬ味と、不思議と食べたくなる魅力

東洋経済オンライン / 2024年1月18日 12時0分

トッピングは、メンマ、あおさのり、ネギとごくシンプルだ。ときには、「お月見の日の卵のせ」「エビ天をのせた年越しそば」など、季節のイベント的なレシピが登場することもあるが、基本は全国で同じ味、同じ盛り付けで提供している。

【2024年1月18日13時50分追記】記載に誤りがあったため、一部修正しました。

夜鳴きそばを含め、提供するメニューの開発はアウトソーシングせず、全て自社のフーズ部門で担っている。各ホテルで異なるご当地メニューが登場する朝食ブッフェも、その部門の開発によるもの。夜鳴きそばは、約15年前のスタートからマイナーチェンジはするものの、大きくは変えずに味を守ってきた。

大切にしているのは、夜食として重すぎず、万人に愛される味だ。スタート当初はチャーシューが入っていたり、炊き込みなど変わりご飯を一緒に提供するサービスも行っていたそうだが、「重たい」「カロリーが高い」といった理由で、だんだんとなくなったという。

材料は、朝食材料を卸している業者の協力を得て、鮮度や品質にこだわって仕入れている。そのため無料サービスながら、原価は決して安くはない。

その理由を問うと、「お客様のお喜びいただけるサービスになりますので、そこは考えずに何杯でも」と、こともなげに平山さん。価格より顧客満足を優先しているのだ。

別事業から始まった夜鳴きそば

そもそも、夜鳴きそばはどのようにして誕生したのか。ドーミーインでの提供スタートは2009年に遡る。はじまりは、リゾートホテルを展開する別事業「共立リゾート」にあった。

「共立リゾート」のホテルでは当時、入れ替わり二部制の夕食提供スタイルをとっていたという。すると17時、18時から食事をする「一部」のゲストが、どうしても夜中に小腹がすく。そのため提供していたのが「夜鳴きそば」だったのだ。

だが、これをドーミーインでも導入した理由は「小腹を満たすため」ではない。「人と人との触れ合い」に重きをおいたからだ。

「ビジネスマンは、どうしても朝食やチェックアウトまで、お部屋に閉じこもって過ごしがちですよね。夜鳴きそばをレストランで出すことによって、そのスタイルを変えられたらと。お部屋を出て、スタッフや居合わせたお客様と、少しでも会話を楽しんでいただけるきっかけになるのでは……という思いでした」(平山氏)

夜鳴きそばが、無機質になりがちなホテル滞在に彩りを添えてほしい。そんな狙いがあったのだ。

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