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「あなたのためを思って」親心が招く最悪の結末 子への「負の連鎖」を断ち切るためにすべき方法

東洋経済オンライン / 2024年1月19日 6時50分

資本主義のなかで困ることなくちゃんと生きていけるよう、レールを敷いてはみ出さずに進めと子どもには言ってしまいがちです。「絶対にこれがいいこと!」と決めつける気持ちの半分には、自分がこうしたかった、こうしておけばよかったという後悔が紛れ込んでいる。レールに載せてしまうのは子どもを自分の所有物だと思っているからで、本当に子どものためを思うなら、自発的に選んでいける選択肢を増やしてあげることのほうが大切なんですよね。

ただつい、自発的に宿題をやらない子どもに対して「宿題させなきゃ!」とがむしゃらに向かってしまうのですが……。精神的に未熟な親のなかで、がむしゃらな親はもっともふつうに見えがちなタイプなのだけれど一歩間違えば教育虐待につながることもありそうです。

生まれたばかりのころは「健康であればいい」と思っているのに、さまざまな社会のニュースや情報に翻弄されるなかでがむしゃらになっていくのだと思います。「子どものため」と枕詞に付ければ何でも正当化できてしまうから。だから私はいつも、自分に問いかけるようにしています。「これは本当に、子どものためだと思って言っているのか、私が安心したいから子どもにやるように言っているのではないか?」と。

『親といるとなぜか苦しい』にある親の精神的な成熟度を見るためのチェックリストは、自分自身の親がどうだったか子ども時代を振り返るとともに、もし当てはまっている項目があったら「再生産しないため」のチェックリストにもなると感じました。たとえば次のような項目です。

自分の親はどうだったのだろうか

◻︎些細なことにも過剰に反応することがある
◻︎言動や考え方が自分とちがう相手を前にすると、よくイライラしていた
◻︎自分が成長するにつれて、親は自分を相談相手として利用したが、自分の相談相手にはなってくれなかった
◻︎会話の内容はたいてい、親の興味があることばかりだった
◻︎親は、自分を省みることもなかったし、問題が起こってもそれを自分のせいだと考えることもまずなかった
◻︎両極端な考えをしがちで、新しいアイデアを受け入れようとしない

どうでしょうか? 子ども時代、精神的に未熟な対応をされていたのだという気づきはありませんでしたか? もし振り返って「自分はあのときつらかったのだ」と認識したのなら、今度は親として子どもに同じように接していないかどうか考えてみてください。そして、親自身も心理士などに頼って癒されてほしい。

私は親としての未熟さを子どもにオープンにしてもいいのではないかと思っています。子どもの立場で考えると理不尽な怒り方をしたなと気づいたら「ごめんね。ママいま余裕がなくてこんな伝え方になってしまった」と伝える。自分のクセや偏った考え方にまず気づき、親から子への負の連鎖を断ち切ることが重要です。

(構成:中原美絵子)

犬山 紙子:イラストエッセイスト

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