ホンダ新EV商品群「ゼロ」に問われるブランド力 その成否が命運左右も、高級「アキュラ」は苦戦
東洋経済オンライン / 2024年1月19日 7時50分
乾坤一擲、「第2の創業期」と位置づける新ブランドはうまくいくのか。
【写真】ホンダが立ち上げるEVの新ブランド「ゼロシリーズ」。最初に投入するのはセダン型「サルーン」
ホンダが1月10日、アメリカのラスベガスで開催された世界最大のテクノロジー見本市「CES2024」で、新たなEV(電気自動車)ブランド「Honda 0(ゼロ)シリーズ」を発表した。会場ではセダンタイプの「SALOON(サルーン)」とミニバンタイプ「SPACE-HUB(スペースハブ)」を展示。2026年に投入するサルーンを皮切りに、EV商品群を順次投入していく。
コンセプトは「薄く、軽く、賢く」
「ゼロから全く新しい価値をつくりたい」(三部敏宏社長)と意気込むゼロシリーズのコンセプトは、「Thin, Light, and Wise(薄く、軽く、賢く)」。F1をはじめとしたモータースポーツで磨いた低全高スタイルを採用しフロア高を抑えることで、車体を薄くし空力性能を向上。軽量化を進めるとともに電費性能を磨き、先進技術を駆使した賢い車にする、というのがシリーズで共通した特徴だ。
具体的には、EVの動力源に新開発の次世代eアクスルを搭載し、電池の軽量化と空力性能の向上も図ることで航続距離を伸長。電池制御システム(BMS)を使って、使用開始から10年後の電池劣化を10%以下に抑制する。固体電池や生成AI、ステア・バイ・ワイヤといった最新の技術も積極的に取り込む。
先進の運転支援技術に加えて、レベル3相当の自動運転技術も採用。ホンダ独自で開発した車載OS(基本ソフト)を導入し、AIを組み合わせてユーザー個人に合わせた音楽やソフトウェアサービスを提供するという。
ゼロシリーズの特徴の1つとして、満充電での航続距離を300マイル(480km)以上と控えめに設定している点が挙げられる。
トヨタ自動車が2026年に投入予定の高級ブランド「レクサス」の次世代EVは、航続可能距離が1000kmに達する計画。日産自動車の旗艦EV「アリア」でも約600kmを確保している。こうした航続距離の長さを競う流れには背を向ける。
この点について、三部社長は「軽く、軽快に走る車にするというコンセプトだ。(充電の)チャージングポイントが増えてくれば、1000キロ走らなくても、短時間で十分充電できるようになり、むやみやたらに電池を積む必要がない」と強調する。
電池は希少金属を多く使うことから生産・調達コストがかさみやすく、一般的にEVにおける生産コストの3割を占めるとされる。EVでガソリン車やHV(ハイブリッド車)と同等の航続距離を確保しようと電池の搭載量を増やせば、その分コストがかさみ、販売価格も上昇する。
先進技術の搭載で狙うは高付加価値路線
この記事に関連するニュース
-
「中国のトヨタ」の異名を持つ…テスラと激しい首位競争を繰り広げる自動車メーカーの「驚きのものづくり力」
プレジデントオンライン / 2024年7月3日 10時15分
-
レクサスによるテスラ「丸写し」、日系ブランドを救えるか―中国メディア
Record China / 2024年7月2日 7時0分
-
ホンダ社長が語る「2040年脱エンジン」の行程表 ホンダならではの魅力的なBEVを実現できるか
東洋経済オンライン / 2024年6月28日 13時0分
-
中国の車載電池業界「淘汰の時代」に早くも突入 PHV台頭で需要に変調、上位企業の寡占も進行
東洋経済オンライン / 2024年6月26日 18時0分
-
ホンダがEVとソフトに巨額投資 トヨタを凌ぐ10兆円の投資
財界オンライン / 2024年6月8日 11時30分
ランキング
-
1定年後に、見落とすと厄介な出費「3選」とは?
オールアバウト / 2024年7月3日 21時40分
-
210位寝言、6位歯ぎしり、3位常夜灯をつけた…40~60代1012人調査で判明「早死にした人の睡眠特徴ワースト10」
プレジデントオンライン / 2024年7月3日 17時15分
-
3Q. 納豆をより健康的に食べるには、どのような食べ合わせがおすすめですか? 【管理栄養士が解説】
オールアバウト / 2024年7月2日 20時45分
-
4痩せたい人は注目!実は有能なきゅうりの痩せ効果&食べ方
つやプラ / 2024年7月3日 12時0分
-
5お金が貯まらない人が何気なくやってしまう習慣3つ
オールアバウト / 2024年7月3日 20時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください