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「犬食文化」は消えるのか?食べ歩いて見た光景 韓国国会では犬食を禁止する法律が可決された

東洋経済オンライン / 2024年1月20日 12時10分

今回の法改正では犬肉の流通に関しても違反の対象であるため、こうした市場での卸売も表向きには見られなくなる可能性がある。

唐辛子と塩で食べるハノイの犬肉料理

犬肉は東南アジアでも、古くから食べられてきた。ベトナム・ハノイも、近年こそ政府の方針があり、提供するレストランが減ってきているものの、昔から犬肉がよく食べられている地域だ。

筆者は2018年にソウルで補身湯を食べてから、文化としての犬食に興味を持ち、同年にハノイを訪問した際に、同じように犬肉が食べられる店を探した。ベトナム語で犬肉を指す「thịt chó」をGoogleマップで検索して出てきた場所に行ったところ、現地でも犬肉を提供する店に出会えた。

ソウルで補身湯を提供していたお店は、しっかりしたレストランの店構えだったが、ハノイの店は簡易的なテーブルと小さな椅子がいくつかあるような小さな店で、店頭に丸焼きになった犬が並べられていたのが、衝撃的だった。

ハノイの店で食べたのは、焼いた犬肉を切り落とし、唐辛子と塩をつけて食べるというシンプルなもの。テーブルに置かれたレモングラスやハーブと一緒に食べるのだが、ソウルで食べたときよりも肉の臭みが強いのが印象的だった。肉の処理が甘いことが原因かもしれない。香草と一緒に食べることで、肉の臭みを緩和するということなのだろう。

最近はめっきり見かけなくなってしまったが、数年前までは池袋や新大久保のガチ中華の店でも犬肉料理は提供されていた。

前述したとおりソウルでは朝鮮族がいわゆる中華街にある市場で犬肉を売っていたり、補身湯の店を経営しているが、それと同じような状況が東京にもあったのだ(筆者は見かけたことはないが、かつてはアメ横の市場で売られていたという情報もある)。

池袋の羊肉串が食べられる東北系の店や、新大久保の朝鮮族が経営する店でも犬肉を提供しており、店内の壁に「犬肉あります。」と手書きの紙が貼られていたり、外の看板にも「狗肉(犬肉)」と表示があったのだ。

日本のガチ中華でも犬肉料理を味わう

日本では2019年に一度だけ、池袋の東北料理の店で犬肉を食べたことがあるが、こちらは細切りにカットされた肉の上にコチュジャンのような辛味噌とパクチー、ネギがたっぷりのったスタイルだった。やはり臭み消しの意味合いなのだろう。

この店の犬肉はうまく処理ができていたのかハノイで食べたときのような臭みはなく美味しかった。日本で暮らす中国人に対する犬肉の需要が少なくなってしまったこともあるのか、今では見つけることが困難になってしまい、2019年以降東京では見つけられていない。

韓国やベトナムと同じように中国でも犬食への風当たりは強くなってきており、2020年には広東省・深圳で犬や猫の販売、取引を禁止している。犬肉に限らず、古くから続いてきた食文化はリスペクトされるべきであり、筆者自身は犬食文化も残り続けてほしいと願っている。だが、昨今の動きを見ると少し難しそうな気もするので、もし経験するなら早いうちがいいかもしれない。

阿生:ライター

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