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「新宿線のテコ入れ」どうする?西武HD社長に聞く 東急・小田急の中古車両導入は「最適の選択」

東洋経済オンライン / 2024年1月20日 6時30分

――西武沿線の開発についてはどのように進めますか。

鉄道沿線の街づくりは地域や行政と協議しつつ入念な検討が必要だが、駅周辺や高架下の開発なども含めて絶え間なく進めていく。

これまで進めてきた所沢の開発は第4コーナーに入っており、今年秋に西口の元車両工場だったところの商業施設の完成で完結する。所沢では西口開発計画のほか、東口の商業施設開発、ベルーナドームのボールパーク化や西武園ゆうえんちのリニューアルオープンなど、エリア全体で約1000億円の投資をしている。

また、東村山駅付近では連続立体交差化事業が進んでおり、新宿線の中井―野方間も地下化する工事を行っている。踏切をなくして沿線をより住みやすくし、そういったところに新たな商業施設の土地を創出するなどしていきたい。そうすることで周辺に人が集まっていく。

西武沿線の強みは何か?

――鉄道の通勤利用がコロナ禍前には完全に戻らず、今後少子高齢化も進む中、「選ばれる沿線」になるための他線との競争は加速すると思います。西武沿線の強みは何でしょうか。

池袋線も新宿線も、都心から短時間で風景の変化とそのバリエーションが豊か。池袋線で行ける秩父は山手線から一番近い国立公園だ。新宿線の終点、川越は外国人観光客にも人気の観光地になっている。

さらに、飯能にはフィンランド以外で初のムーミンのテーマパーク(ムーミンバレーパーク)、としまえんの跡地にはロンドン以外で初のハリー・ポッターの施設(ワーナー ブラザース スタジオツアー東京―メイキング・オブ・ハリー・ポッター)がある。

世界の財産が進出してきて、地域の活性化にもなっている。これが他社線沿線と一線を画す西武沿線の魅力だと思う。『翔んで埼玉』(映画)でも言われたように海はないけれど(笑)。

――そういった「強み」は沿線外からの集客力にはなりそうですが、沿線に住んでもらうためのアピールポイントにもなりますか。

なると思う。また、例えば所沢の開発でいえば、以前はベッドタウンと言われていた街を暮らしの場所、リビングタウンにしようということで開発を進め、商業施設などさまざまな工夫をしてきた。リビングタウン化への取り組みは着々とうまくいっていると思う。また、沿線は地盤が固く、災害に強いというポイントもある。

新宿線の「バリューアップ」は

――西武鉄道は旧型車両の置き換えに東急電鉄・小田急電鉄の中古車両を「サステナ車両」として導入します(参考:2023年10月1日付記事「西武が小田急・東急の『中古車両』を導入する狙い」)。新造車両の導入も含め、設備投資が他鉄道に比べ遅れ気味だったということはありませんか。

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