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前年比5万人増「東京オートサロン」盛況の真意 ここだけで言える「本音」とビジネスチャンス

東洋経済オンライン / 2024年1月21日 12時20分

スポーツ走行の人気は、海外でもファンの多いドリフトの過熱ぶりが端的に表している。オートサロンでも、主催者が建物外にデモランの場所を用意。トヨタをはじめ、参加メーカー(チーム)がプロのドライバーによる走行を披露し、やんやの喝采を浴びていた。

韓国のヒョンデも、ドリフト走行が簡単に楽しめることをセリングポイントにしたハイパフォーマンスEV「IONIQ 5N」のデモランを行い、BEV(バッテリーEV)のポテンシャルを見せつけていた。2024年度年央の日本導入を前にドリフトをする姿を見せる、たいへんユニークな試みだ。

モータースポーツはビジネスになる

自動車関連パーツメーカーも、オートサロンには熱心に取り組んでいる。たとえば、TOM'S。

TOM'Sは、トヨタ車向けのアフターパーツを手がけるメーカーで、巨大なスポイラーを装着して空力効果を狙った「プリウス」や「GRヤリスTSS」などは食指が動く。

日産のブースの一部は、同社製品をベースにモータースポーツ志向の強いモデルを仕立てるNISMOの展示にあてがわれていた。

最大の注目株はつねに「NISMO GT-R」だが、AWDシステムに専用チューニングを施すとともに空力パーツを付与した「アリアNISMO」も目立つところに置かれていた。

株価はバブル絶頂期並みの勢いだというのに、たとえば輸入車の2023年の販売台数は前年比2.5%上と、かろうじて前年超えというありさま。でも、来場者の熱気はかなりのものだ。ギラギラした眼で展示車を観ている。

実際、出展した自動車メーカーははっきり「モータースポーツの人気は相変わらず高い」(広報担当者)と言い切る。国内レースの集客力は高いようだし、スポーツモデルはパーツが多いので付加価値も高い。ここにはビジネスチャンスがあるのだ。

同時に、近年顕著になってきた傾向として、ラグジュアリーミニバンやSUVの展示の増加があげられる。「アルファード/ヴェルファイア」は特に人気が高いようだ。

これからは、前席と後席のあいだにパーティションを設けた「レクサスLM」が人気を集めていくだろうか。

たとえば、TOM'Sがもちこんだ「レクサスLMショーファースタディ」は、日本工芸品のようなプリントレザー張りのシートや、美しく織られたカーペットなどのインテリアが、まさにキラキラと輝くばかりだった。ここにも、付加価値ビジネスが存在している。

そもそも、オートサロンの展示におけるもうひとつの雄が、かつてハイソカーとかVIPカーと呼ばれた大型セダンや大型ミニバンをさらに豪華に仕立てた展示車であることを、改めて思い出させてくれた。

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