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ニトリ「79歳創業者」が10年ぶり社長復帰の深い訳 ユニクロ出身者も浮上、後継者選びの行方は?

東洋経済オンライン / 2024年1月22日 7時30分

ニトリHDを創業し、家具最大手へと成長させた似鳥昭雄会長(撮影:尾形文繁)

創業者が10年ぶりに最前線に戻って来る。

【経営陣を図表で解説】日産や島忠、ファーストリテイリングの出身者も。ニトリHDの取締役一覧

家具・インテリア製造小売り大手のニトリホールディングス(HD)は、2月1日から似鳥昭雄氏(79)が、事業会社ニトリの会長兼社長に就任すると発表した。似鳥氏は現職のニトリHD会長に加えて、ニトリも舵取りすることになる。

これまで似鳥氏は2014年にニトリ社長、2016年にはニトリHD社長を退き、ニトリHDの代表権のある会長としてグループ全体を率いてきた。現場で自ら指揮を執るのは、実に10年ぶりとなる。

ニトリ社長だった武田政則氏(58)は、ニトリHD副社長に就任して海外事業を管掌。ニトリHD常務執行役員の永井弘氏が、ニトリ取締役専務に就任して国内事業を管掌することも発表された。

永井氏は2015年9月に入社する以前はファーストリテイリング執行役員として、グローバルでのマーケティング責任者を務めてきた経歴を持つ。今回の人事で、似鳥社長に次ぐニトリのナンバー2のポジションとして白羽の矢が立った格好だ。

海外拡大志向も柱の国内で「大苦戦」

ニトリHDは今回の体制変更について、武田氏がニトリHD副社長として海外事業の管掌に専念することで、海外事業における意思決定と実行スピードの向上を図るためだと説明する。

もっとも、今期の国内ニトリは苦戦を強いられている。今2024年3月期中間期(4~9月)の連結売上高は前年同期比1.5%減の4168億円、営業利益は同20.1%減の551億円。円安による利益へのダメージがとくに大きく、本業のもうけである営業利益は会社計画に対して90億円の未達の水準で推移している。

また、円安の影響で実施した商品値上げによって客数も低調が続いている。再び値下げ戦略に立ち返るも、2023年4~12月の既存店客数は、11月を除くすべての月で前年同月を下回った。

海外は成長領域であるものの、市場関係者は「海外はまだアーリーステージで、これから現地消費者の認知度向上や事業基盤の構築が必要。ポテンシャルはあるが、初期費用が重く利益貢献をするまでには時間がかかるだろう」と分析する。

海外での成長戦略に注力するためにも、地盤である国内事業の立て直しは急務。中核事業会社であるニトリの経営は似鳥氏自らが舵を取り、今回の人事で急浮上した永井氏も手腕が問われることになる。

後継者争いにも新展開

一方、海外事業を管掌する武田氏がニトリHDの副社長に昇格したことで、似鳥氏の後継者争いにも新たな展開が見られそうだ。

2016年2月から現在まで、ニトリHDの経営体制は、似鳥氏が代表取締役会長、白井俊之氏(68)が代表取締役社長を務めている。白井氏もかつてはニトリ社長、ニトリHD副社長を歴任した人物だ。

ニトリHDの副社長には、島忠出身でニトリの店舗開発や現在は島忠の会長を務める須藤文弘氏(67)と、日産自動車出身で現在ニトリの物流などを管掌する松元史明氏(65)が就いている。この副社長陣に武田氏が加わったうえ、似鳥氏も80歳が目前だ。日本を代表する家具小売りの行く末に注目が集まっている。

山﨑 理子:東洋経済 記者

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