日産「セドリック/グロリア」とクラウンの岐路 国産初のターボ車、そしてY32で英華を極める
東洋経済オンライン / 2024年1月23日 12時20分
ちなみに、国内で最初に量産乗用車でターボチャージャーを採用したのは、日産セドリックである。ターボエンジン車は、アメリカのオールズモビル(ゼネラルモーターズ=GM)によって1954年に市販車で採用された。日本で人々の注目を集めるのは、1973年のBMW2002やポルシェターボではないか。そしてセドリック/グロリアが日本車におけるターボエンジン時代を切り拓いたのであった。
セドリック/グロリアは、クラウンという競合を持つことで、国内の双璧をなす上級4ドアセダンとして人気を保持したのである。
1990年代に入ると、セドリック/グロリアは4ドアハードトップのみに絞られた。従来型の4ドアセダンは残るが、前型を継続販売することでモデルチェンジは行われていない。
1991年に登場した9代目、Y32(ワイサンニー)という、型式番号で愛称されることもあったセドリック/グロリアは、これより先に登場した最上級車種の「シーマ」と共通のV型6気筒エンジンを搭載する車種も選べるなど、これまで以上に上級で高性能な1台という存在になった。
グランツーリスモとブロアムという2つの選択肢
また、ここまで国内の新車の多くが異形ヘッドランプと呼ばれ、一体構造のヘッドランプで車体の造形やラジエターグリルとの一体感を表現するようになっていたが、9代目となるセドリック/グロリアでは、あえて昔ながらの丸目4灯の意匠をグランツーリスモという車種に用い、他にない存在感や、ある種の迫力をもたらした。クラウンが車体と一体感を強める異形ヘッドランプを採用し続けたのに対し、セドリック/グロリアの独自性は遠めに見ても明らかだった。それをグランツーリスモというブランドとして位置づけ、セドリック/グロリアを象徴するようになっていく。クラウンではなく、あえてセドリック/グロリアを選ぶ理由がひとつ加わった。
一方、ブロアムと呼ばれる車種は、上質な乗り味を特徴とする車種に位置づけられ、こちらは異形ヘッドランプを用いることで上級さを表したのである。
クラウンが、アスリートとロイヤルという車名で特徴を色わけするのと同じように、グランツーリスモとブロアムは、セドリック/グロリアに2色の選択肢をもたらした。この時期のクラウンは販売がやや不調で、セドリック/グロリアがクラウンを上まわる販売実績を残したことも記憶される出来事だ。クラウンが、アスリートの存在をこの先強化したのも、そうした危機感の表れといえるかもしれない。
この記事に関連するニュース
-
【2024年】新車で買える国産&外車スポーツカー16選! 選び方や注意点も解説
MōTA / 2024年7月19日 19時0分
-
日産「唯一の4ドアセダン」どんな人が買う? 手組みエンジン搭載で「最強仕様」も話題に! まもなく70周年の「スカイライン」の現状
くるまのニュース / 2024年7月19日 7時10分
-
全長4.9m! トヨタ新型「FF最大・最上級セダン」が凄い! 最新「クラウン顔」採用した“新・大型セダン”「新型カムリ」米登場した姿とは
くるまのニュース / 2024年7月14日 11時10分
-
ザ・80年代のゴージャス「ビバリーヒルズの共感ローレル」【懐かしのカーカタログ】
レスポンス / 2024年6月30日 17時0分
-
「えっ!」捕まるのはイヤだけど…乗ってみたい!? 爆速「“2ドア”パトカー」3選
くるまのニュース / 2024年6月25日 12時50分
ランキング
-
1トヨタの新型「ランドク“ルーミー”」初公開!? 全長3.7m級「ハイトワゴン」を“ランクル化”!? まさかの「顔面刷新モデル」2025年登場へ
くるまのニュース / 2024年7月23日 11時50分
-
2ダニ繁殖シーズン到来…アレルギー持ちや痒くてたまらない人はカーペットと畳に注意
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月24日 9時26分
-
3泥酔して道端で寝ていると…介抱してくれた“女性”のまさかの正体。一ヶ月後に再会し、「思わず絶句した」
日刊SPA! / 2024年7月23日 8時52分
-
4義母と元夫は減塩生活中!? 嫁に去られた親子の今…【お義母さん! 味が濃すぎです Vol.48】
Woman.excite / 2024年7月15日 21時0分
-
51日400杯売った「元ビールの売り子」が裏側を暴露。真夏のデーゲームの“過酷すぎる舞台裏”
日刊SPA! / 2024年7月23日 15時54分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください