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最高値が見えてきた日本株の独歩高は続くのか? 長期的に見ればこの上昇は素直に評価すべき

東洋経済オンライン / 2024年1月23日 9時30分

能登半島地震に対して岸田政権は現時点で「教科書どおり」の対応。為替も円高となっていないことは、もっと評価されてもよさそうだ(写真:ブルームバーグ)

日経平均株価は、1月19日に終値で3万5963円まで上昇、平成バブル崩壊直後の1990年2月以来の高値を更新した(17日にはザラ場で3万6239円まで上昇)。またTOPIX(東証株価指数)も、昨年の最高値を同様に更新している。2024年は1月19日までの上昇率で比較すると、米欧株が若干の上昇で推移している中で、日本株(日経平均)は約5~6%程度も上昇率で凌駕している。

岸田政権の震災対応は「教科書どおり」で一定の評価

昨年2023年に起きた日本株高の要因としては、東京証券取引所によるPBR(株価純資産倍率)改善指針や、2024年からの新NISA(少額投資非課税制度)開始による資金流入、さらにはインフレ定着を伴う経済正常化への期待など、が挙げられる。2024年もこれらの要因が、引き続き日本の株高を支えていると見られる。



また、日本は年初早々能登半島地震に見舞われた。依然日常生活を取り戻せない多くの被災者の方々にとって深刻な問題だが、日本企業の生産活動などへの影響は限定的と見られる。震災などの有事においては、これに対処する政府の対応がより重要になる。

これに関連して思い出されるのが、2011年の東日本大震災後の、民主党政権(当時)の対応だ。震災復興の歳出とともに、復興増税策定が同時並行で進んだ。深刻なデフレの中で、インフラへの投資などであれば迅速な国債発行が正当化されるが、この対応が経済正常化を一段と遅らせたのではないか。

これを教訓にした自民党政権は、2013年の金融緩和への「レジーム転換」で脱デフレと経済正常化に強い意思を持って取り組んだ。2020年のコロナ禍対応でも、増税なしに大規模な財政支出を繰り出した。また2024年は所得税減税が予定されている中で、岸田政権では、復興を理由に増税が検討される気配は今のところ見られず、これまでのところ災害・有事に対して「教科書どおり」の対応が行われていると言える。

また、年初の大規模地震発生をうけて、為替市場でドル円相場が一時的に1ドル=143円台へ2円程度円安に動いた。

災害などの有事が為替市場にどのように影響するかは、明確な理屈があるわけではない。東日本大震災発生時に大幅な円高が起きた際には、日本企業による対外資産売却が要因とされた。だが実際には、大震災に対して政策対応が十分行われず、経済の停滞が長引いて、デフレが強まるとの連想が働き、これが円高をもたらした側面も大きかっただろう。

現在の円安は「日銀の機動的対応への期待」の証拠

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