クラウンスポーツの「スポーツ濃度」はいかほどか 期待以上の"ファン・トゥ・ドライブ"がここに
東洋経済オンライン / 2024年1月24日 12時5分
アクセルを踏み込むスピードに関係なく、ゆっくり踏み込んでいってもトルクがもりもりっと出てくるのがわかるし、そのとき車速は十分に上がっている。周囲の交通に後れをとるようなことはない。
操舵感は、やや重め。最近のトヨタ車と共通している。でも、後輪操舵システム、サスペンションシステム、それにカメラを使って路面の状況を判断し操舵力などを変えていくPDA(プロアクティブドライビングアシスト)が連携して、期待以上に“ファン・トゥ・ドライブ”を感じられる。
GRではない“適度な範囲”のスポーティ
トヨタの開発陣によると、「HEVが好きなら、このあと登場するPHEVこそ本命ともいえるモデルなので、ぜひ楽しみにしていてほしい」とのことだ。
本当にスポーツドライビングを楽しみたい人は、クラウンではなく、GRブランドのクルマを選ぶほうがいいかもしれない。クラウンスポーツは「クラウンというブランドの範囲内でスポーティに仕上げたモデル」(開発者)という注釈がつくように、適度な範囲で運転が楽しめるモデルだ。
クラウンスポーツは、運転していて安全マージンが確保されていることが感じられる。それが“適度な範囲”なのだろう。
エンジントルクやアクセルペダルの重さ、操舵感など、クルマから“もっと速く走れ”とあおってくるようなことがないのである。
一方、クラウンスポーツを街で見かけると、なかなか目立つ。これまでのクラウンは、街に溶け込むようなアンダーステーテッドなところを特徴としていたが、そこは違うのである。
590万円という価格は、所有欲を満たすスタイリングや“ファン・トゥ・ドライブ”な走りを考えると、説得力のあるものではないだろうか。
小川 フミオ:モータージャーナリスト
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