松本人志氏騒動を拡大した「Xから発信」の危うさ 無法地帯化したXでは伝播力がデメリットにも
東洋経済オンライン / 2024年1月24日 11時50分
アイドルの方なども、プロダクションではなく本人が直接書込みを発信してしまうと、そこにリスク管理のフィルターが全くかからないことで、炎上騒動が起こった例はいくらでもあります。松本氏が、騒動に関する発信をXで行ったことは、非常にまずいと思いました。
感情任せの書き込みが招く炎上
有名人に限らず、個人でも酔っ払った勢いで悪口を投稿したり、不適切行為を投稿する「バカッター行為」と呼ばれる炎上がたびたび発生します。インターネットは世界に通じるメディアなので、そこに書かれたことは勝手に世界中にばらまかれます。リスクも考えずに意見発信するのは、少なくとも芸能人や政治家など、影響力を持つ人にとって、大きなリスクであることは忘れてはならないでしょう。
そのため事務所スタッフなど、複数が関与して内容をチェックしたり、勢いで本人が感情任せの投稿をさせないようにすることなど、リスク管理が欠かせません。企業アカウントでも、感情任せで不適切な書き込みをして炎上することはよくあります。
Xは140字という限られた文字数しか書けないという特徴があり(有料版は除く)、正確な説明には限界があります。不十分な説明で、ツッコミどころをさらせば、投稿がきっかけで炎上につながるリスクは大きくなります。
さらにツイッターが、イーロン・マスク氏に買収されてXとなった頃から、ヘイトや不適切書込みなどへの監視が一気にゆるくなったと言われます。結果として暴言などが発生しやすくなり、今年の能登半島地震のような非常時ですらデマや不適切な投稿が多く出回りました。
かつてのツイッターと比べると、Xユーザーの暴言や攻撃が激しくなったことを私も感じます。そうしたリスクの高いXで、松本氏は発信していました。
情報発信メディアとしてのXの価値
マーケティング戦略において、どの媒体で情報発信するかは非常に重要です。テレビ番組のスポンサードでも、自社のCMはどの番組に出すべきかは広告代理店ではなく、スポンサー企業自身が責任を持って決めなければなりません。
今現在も、ツイッター時代のレガシーとしてのユーザー数やそれに伴う伝播力は大きなものがあります。一方で無法地帯化ともいえる殺伐とした雰囲気は、使い方を誤れば伝播力というメリットがデメリットにもなり得ます。企業の情報発信でも、本当にX連動の必要があるのかと思うようなキャンペーンも見かけます。
松本氏のXでの書込みは明らかに言葉足らずでした。「事実無根」という言葉が強烈かつ幅が広すぎて、真意が伝わりにくいだけでなく、自身を不利な状況に追い込んでしまった言葉だったと思います。
説明不足なら誤解を呼び、意に反する解釈を正せば逃げたと批判される。言葉足らずな発信は、平時であれば問題はなくとも、危機時においては揚げ足取りや攻撃の燃料投下になるだけとなってしまいます。
著名人や企業は、今回の騒動をきっかけに、ツィッターから変質したXのメディアとしての価値を考えるべきではないでしょうか。私はクライアント企業との意見交換において、この問題提起を始めています。
増沢 隆太:東北大学特任教授/危機管理コミュニケーション専門家
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