不正に揺れるダイハツ、生産再開はいつになるのか 国交省が是正命令、トヨタ主導で構造改革
東洋経済オンライン / 2024年1月26日 8時0分
第三者委員会は、不正は30年以上行われており、2014年以降に急増したと指摘。短期開発を目指すあまり、過度にタイトで硬直的なスケジュールのシワ寄せが認証部門に来ていた点や、人員不足、認証部門内外での風通しの悪さなど組織風土も批判している。
再発防止や組織再編はトヨタが主導することになる。佐藤恒治社長は1月16日、報道陣の取材に応じ、「ダイハツの車づくりに関与しきれなかった。事業の体制やスキームがしっかり機能するようにしないといけない」として、トヨタが開発現場に入り込む考えを示した。
ダイハツの事業体制について「(軽自動車以外も手がけて)負荷がかかりすぎていたなら事業領域を見直す」「今の経営体制を前提に置かずに検討する」と、抜本的な改革を示唆した。
トヨタグループでは日野自動車や豊田自動織機などでも不正が発覚しており、グループ全体のガバナンスを問われる事態となっている。このため豊田章男会長がグループガバナンスの方針について1月30日に説明するという。
取引先へ広がる影響
「顧客にはただただ申し訳ない」。関東圏のダイハツ系販売会社の幹部は淡々と語る。現在は新車販売を自粛し、サービスや中古車販売でしのいでいるという。別の販売会社首脳は「顧客に何か説明しても、『それもうそじゃないのか』と言われることもあった」とこぼす。当然、部品メーカーや工場の地元経済も大きな影響を受けている。
ダイハツは、販売店や部品メーカーに対し、生産停止による損失について個別に補償に応じていく方針。2次以下の部品メーカーに対しても、1次取引先を通じ補償を行うという。ある部品メーカーの幹部は「すでに補償の具体的な話は来ている」と明かす。
生産停止が長引けば、ダイハツの経営に対してはもちろん、社会的にもダメージは膨れ上がる。ダイハツとトヨタは説得力のある改革案を示す必要がある。
横山 隼也 :東洋経済 記者
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