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子を大手塾に通わせる中受ママの過酷な1週間 宿題で併走、土日もフル稼働で倒れる寸前

東洋経済オンライン / 2024年1月29日 7時0分

中学受験では親も子も大忙しだ

何が何でも中高一貫校――。首都圏では小学校6年生の児童数が大きく減る中、中学校の受験者数が過去最多を更新しそうな勢いだ。なぜなのか。

『週刊東洋経済』2月3日号の第1特集は「過熱! 中学受験狂騒曲」。パニックの様相すら呈する中受のリアルを追う。

中学受験のトップ塾、SAPIX。子どもの受験を考える“中受ママ”たちの憧れの塾であるのと同時に、「親が大変」という評判も聞く。

【図】ある中学受験ママと子どもの過酷な1週間

実際にどのぐらい大変か。下図は2024年受験組のママ、草薙亜希子さん(40代・仮名)の2023年11月の1週間だ。

亜希子さんはシステム構築受託の営業をしている。彼女自身も中学受験経験者だ。東京都下のマンションに夫と2人の息子と暮らす。長男は現在6年の受験生だ。「友達と同じがいい」という本人の希望で3年生の2月からSAPIXに通い始めた。

月曜日 朝5時起床。洗面所で顔を洗い、かごの中の服を洗濯機に入れていく。キッチンに行き、朝食の準備と夕飯の仕込みをする。冬は鍋料理一択だ。準備も後片付けも楽なのがいい。食卓に国語と算数のドリルを開き、鉛筆と消しゴムを置く。6時に夫が長男の大和(仮名)を起こし、パジャマのまま、ドリルをやらせる。国語は15分間、算数は20分間。終わっていない小学校の宿題は夫が代わりにやる。文字がまったく違うが、今年の担任は大目に見てくれる。助かる。大和は計算が遅いので毎朝の算数ドリルは欠かせない。

食卓で算数の宿題を「併走」

朝8時に大和を送り出し、自分も身支度をし出勤。12時に中学受験の先輩ママとランチ。併願校の情報を仕入れる。上板橋の城北中学校を薦められるが、乗り換えが2回ある。大和には無理かな。

13時から企画書や見積書を作っているとあっという間に18時。あたふたと退勤。18時半に家に着くと、干しっ放しの洗濯物を取り込み、20時からは食卓でSAPIXの算数の宿題を「併走」。

6年生の後半から、大和は算数の宿題を1人で解けなくなっている。これまでは個別指導塾に任せていた。が、今は個別では武蔵中の過去問を解かせているので、SAPIXの宿題は家でやる。SAPIXからの配付物の解説を見ながら一緒に解いていく。

22時に大和は入浴し、就寝。今日は個別指導塾の日。講師からの連絡表を確認するが、算数がやはり弱いようだ。夫に相談すると「俺たちの子だからな」と適当な返事。「俺に似て大和は運動が苦手の陰キャラで公立中で内申点が取れないタイプだから」と中学受験を言い出したのは夫のほうなのに。ムカつきながら24時就寝。

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