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マウンティングには敗北しかない確率論的理由 虚勢によって尊敬を得ることは不可能に近い

東洋経済オンライン / 2024年1月30日 15時0分

あるとき実はその店員が「居酒屋からみ酒型学歴自慢人」のモノサシからして高学歴だと判明したりする。すると以前の文化的な装いも新たに「今は少子化だから。どうせ大学受験も簡単なんだろ」と狭隘な品性を自ら露呈させてしまう。

このように虚栄/虚勢には経営の失敗がつきものである。虚勢を張って他人と比較し優位に立ちたいという人は、他人と比較したいがゆえに他人と自分に共通して当てはまりそうなモノサシを持ち出す。共通のモノサシがなければ比較が不可能なのだから当然だ。

しかし共通のモノサシは常に自分が一番になるような奇天烈(きてれつ)で異形(ゲリマンダー)なものでもない限り、ほぼ確実に自分より上位の人を含んでいる。こうして、虚勢に精を出す人ほど心に劣等感を育てていく。

SNSが発達した現代ほど誰もが他者からの尊敬に飢えている時代はない。だが、ここまで確認してきたように、真に他者からの尊敬を欲するならば虚勢を張るという「手段」は「目的」に対して不合理なのである。

岩尾 俊兵:慶應義塾大学准教授

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