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WEB研修「ダルい」を卒業「元を取る」3つの秘訣 タイパ最強!大人の学びが深まる驚異の受講術

東洋経済オンライン / 2024年1月31日 9時0分

キャリアアップに向けて一歩リードできる、効果的なオンライン研修の受講法を解説します(写真:bee/PIXTA)

会社からオンライン研修を受けるよう言われていても、なかなか重い腰が上がらない人もいれば、転職や副業といったキャリアアップのために、WEBでセミナー受講を検討している人もいるのではないでしょうか。せっかく研修を受けるからには、費やした時間・お金・体力を上回る効果を得たいですよね。本記事では、大人の学びを支援するプロ中のプロである清水久三子氏が、効果的なオンライン研修の受講法を解説。キャリアアップに向けて一歩リードできる研修の受け方のコツを、2024年1月刊行の『リスキリング大全』より、抜粋・再編集をしてお伝えします。

研修から元を取れる人だけが知っている秘策

リスキリングを目的とした研修やセミナーは、政府や自治体が、法人と個人両方を対象としてリスキリング補助金を出しているため、その数も増えてきています。会社からリスキリング研修を受講するように言われていたり、会社が選んだ対象研修の中から選択して受講するよう促されたりする場合もあるでしょう。

【写真】リスキリングのすべてが1冊でわかる『リスキリング大全』

またコロナ禍でオンライン化が浸透し、リアルタイムオンライン研修や、アーカイブ視聴など、実際にその場に行かなくても受講できる機会は圧倒的に増加しました。

とはいえ、こういった機会をすべての人が生かしきれているのでしょうか。私は企業内のインハウス研修も、さまざまな企業の方が参加する公開研修のどちらもやっていますが、人によって大きく「学びの取れ高」が違うことを毎回実感しています。

「学びの取れ高」という言葉をはじめて目にする人もいるかと思いますので、ここで少し「学びの取れ高」という言葉の説明をさせてください。

学びの取れ高=学びの活用力

テレビ番組などでよく「撮れ高が良い」というような言い方をするのを聞いたことがある方もいるでしょう。「撮れ高」とは、撮影した映像や写真で、目的のクオリティに達したものや、そのクオリティの映像・写真が、どれだけ撮れたかという割合のことです。

「撮れ高が良い」とはつまり、「実際に使うことができる良いものがたくさん撮影できた」ということを指します。

撮影において、撮れ高を増やすには、何を表現したいのかが明確になっている必要があります。「このストーリーにはこういう映像がほしい」という目指す状態があって、その画像を撮るために、念入りに準備をしていきます。何となく撮るのではなく、どう使うのかを意識して撮影します。

これを学びにも適用して考えてほしいのです。何となくインプットするのではなく、「この知識、情報、スキルをどう使うのか」を意識して学ぶ。もしくは「こういうことをできるようになりたいから、これを学ぶ」と、そのスキルの獲得目的を意識して学ぶ。こうすることによって、学んだことで生かせることが増える、つまり学びの取れ高が上がるのです。

同じ研修を受けていても、学びの取れ高は人によって異なります。その研修で学んだことを自分のものにしてすぐに仕事で活用して成果をあげる人もいれば、まったくそのスキルを発揮できない人もいます。

さらに、学びの取れ高が高い人の中には、その研修で学んだことを、元々自分が持っている他のスキルや知識・経験と結びつけて、他の人より頭ひとつ抜け出す人もいます。

真剣に講義を聴くだけではなく、いくつかのポイントを意識して実践することで同じ研修の受講でも取れ高が変わってきます。同じ研修でも学びの取れ高を上げる実践方法を3つ紹介します。

実践法の1つ目です。研修やセミナーを受講する時に、受講し終わったらどういう「状態」になっていたいのかを明確にしましょう。状態というのは次のようなものです。

受講前に修了後の「状態」を決めておく

「苦手意識がある〇〇の領域に“これならできそう”という手応えを感じている状態」

「〇〇業務に生じている問題について解決のメドが立っている状態」

こういった「状態」を意識することによって、受講中に「今、自分はその状態に近づけているかな?」とつねに自分に問いかけることができます。その分だけ、得られるものも変わってきます。

また、学びの取れ高が高い人は、「このスキルはこう使おう」というひも付けが得意です。自分の中に解決したい課題や目指す姿があると、「これはどう使うべきか」という活用するための思考スイッチが入ります。何も考えずに受講していると、このスイッチが切れたままなのです。

オンラインの研修やセミナーでの学びの取れ高を上げる2つ目のポイントは、自らの参加意識を高めることです。ウェビナーなど参加者が多数で、講師の話を聞くことがメインであればカメラオンで顔出しにする必要はありませんが、参加型の研修では顔出しのほうが参加意識が高まります。

また、自分がよいと思ったところでリアクションボタンを押したり、画面オンで参加しているのであればうなずくなど、反応を多めに入れるのも参加意識を高められます。

また、オンライン研修の中にはコミュニティを形成し、参加者同士の切磋琢磨を促すタイプのものがあります。私も出講している「Schoo(スクー)」や「ビジネスアウトプットGYM」などはチャットを活用した参加型で、意欲の高い方がたくさん参加されています。

演習のアウトプットを共有しフィードバックをもらうことで、一方通行の研修に比べても学びの取れ高は高くなるでしょう。

また、質問は上手に行えば、学びの取れ高を格段にあげることができます。質問の仕方として、チャットを使うのが効果的です。理由はチャットで質問されると、講師が回答を整理してから話すことができるからです。

講義中に思いついた質問をチャットに入れておくと内容に合わせて講義のタイミングのよいところで講師が答えやすくなります。もちろん音声でも構わないので積極的に質問することをおすすめします。

動画は倍速で視聴する

リアルタイム参加ではない、アーカイブ視聴型の研修やセミナーも自分の都合の良い時に受講できるので利便性が高いでしょう。最近では視聴速度をコントロールできるようになっているものが多く、1.5倍速や2倍速で見る方も多いようです。

「倍速で見ても理解できないのでは?」と思うかもしれませんが、実は通常の速度と倍速で視聴したときの理解の差はあまりないという調査結果が出ています。

早稲田大学人間科学学術院で行った再生速度の違いと理解度の関係を調べる調査では、再生速度によって「1倍(通常)」「1.5倍」「2倍」の3グループに分け、映像授業後にテストを受けてもらったところ、理解度は3グループともほぼ同じだったという結果になりました。

脳が理解しようと適度に集中できる速度であれば問題がなく、倍速にすることで集中して聞かざるをえなくなるという側面もあるそうです。私もアーカイブ視聴コンテンツを収録しますが、その際には少しゆっくり目ではっきりと話すことを求められますので、倍速でも聞き取れると思います。

ただし、これは視聴者側の知識量にも左右されることもわかっており、知識の土台がなければ倍速視聴では理解できないということもありますので、理解できないのであれば通常速度にしたほうがよいでしょう。

さらに倍速視聴の有効活用としては、理解できなかったところをもう一度視聴する方法です。まず倍速で一度視聴、その後頭からわかりにくいところを中心にもう一度視聴すると、通常速度で一度視聴するよりもさらに理解が深まり、取れ高があがります。

WEB研修でキャリアアップを一歩リード

オンライン研修の効果を高めるための受講法について3つお伝えしました。1つ目は研修受講前に修了後の「状態」を決めておくこと、2つ目は参加意識を高めること、そして3つ目は倍速で視聴するということでした。

これから受講するオンライン研修の効果を120%享受できるよう、ぜひ実践してみてください。

清水 久三子:アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント

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