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蔓延する「インフルエンザ」、なぜ2回かかるのか 今シーズンは3種類のウイルスが流行している

東洋経済オンライン / 2024年1月31日 12時10分

インフルエンザの流行が続いている今、知っておきたいこと(写真:スマイル/PIXTA)

暖冬にもかかわらず、インフルエンザの流行が続いている。秋に一回かかったから、もう大丈夫と思っているあなた、それは大きな誤解だ。インフルエンザには何度もかかるので、注意を続けねばならない。実際、診療の現場でインフルエンザA型に2回かかっている患者を診ている。年明けからB型インフルエンザが検出されるケースも増加している。

インフルエンザウイルスのA型とB型は何が違う?

インフルエンザウイルスは、大きく分けてA型、B型、C型、D型の4種類がある。このうち、人間に感染して強い病気を引き起こし、季節性インフルエンザウイルスとして問題になるのはA型とB型だ。さらに、A型はAソ連型とA香港型に、B型は山形系統とビクトリア系統に再分類される。山形系統のウイルスは2020年3月以降、自然感染では検出されていない。よって、いま日本でヒトに感染するインフルエンザウイルスは3種類と考えていい。

3種類のインフルエンザウイルスに共通する症状は、悪寒、関節痛、発熱などの全身症状で、それらが強く出て急速に悪化する。ほか鼻水や鼻づまり、咳、のどの痛み、嘔吐や下痢など胃腸症状を伴う。鼻水や咽頭痛で始まる、数日かけて悪化するかぜとは発病の様式が異なる。

A香港型は比較的症状が強く、Aソ連型やB型は比較的軽症だ。もちろん無症状の感染者や、軽症の人もおり、症状だけでインフルエンザか否か判断することはできない。皆さんも家族がインフルエンザにかかった際、同居の家族は同様に高熱が出たりするわけではなく、無症状や軽いかぜ症状で済む人がいることを経験されているのではないだろうか。

なお、C型インフルエンザウイルスは感染しても軽度の症状しか起こさない。D型はウシに感染するが人間には感染しないので、問題とされない。

自然界では130種類以上のA型インフルエンザウイルスが同定されている。その多くは野鳥から検出されており、その中のいくつかは、鳥インフルエンザウイルスとして各国で家禽に感染し、最近では鳥類のみならず、オットセイなど哺乳類にも感染した事例が報告されており、新型インフルエンザ出現が近いと警戒されている。

A型インフルエンザウイルスは、ウイルス表面の2つのタンパク質、ヘマグルチニン18種類(H1〜H18)とノイラミニダーゼ11種類(N1〜N11)の組み合わせで亜型(サブタイプ)に分けられる。人間の季節性インフルエンザウイルスの亜型はH1N1(Aソ連型)、H3N2(A香港型)であり、鳥インフルエンザウイルスはH5N1やH7N9などだ。

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