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「日経平均バブル超え」になったら何が起こるのか 日本株高騰の背景と株式市場が待ち受けるリスク

東洋経済オンライン / 2024年1月31日 8時30分

(写真: metamorworks/PIXTA)

日経平均株価が、バブル崩壊直前につけた最高値3万8915円に近づいている。今年中どころか2〜3カ月でバブルの最高値を超えるのではないかと予想する人も増えてきた。実際に1月22日の終値では、日経平均株価は3万6000円を超えており、バブル期最高値にまで10%圏内にまで詰まってきた。

「日経平均4万円予想は保守的」と断言できるワケ

なぜ、日経平均株価は上昇しているのか……。本当に日本株は復活するのか……。日本株高騰の背景と、今後の日本の株式市場が待ち受けるリスクについて考えてみたい。

日本ショートから日本ロングへ?

日本株が急騰している背景には、いくつかの要因がある。例えば、ヘッジファンドなどのリスクマネーが、これまで日本株を裁定取引のショート戦略に使ってきた背景が指摘されている。

簡単に言うと、これまでのヘッジファンドの多くは、アメリカや中国、香港市場の銘柄に投資する際に、合わせて日本株を裁定取引でショート(売り)を絡ませておく戦略が多かった。メインに投資した株式市場が下落しても、下落局面では世界で最も大きく下落するパターンが多かった日本株に対して、あらかじめ空売り戦略を仕掛けておけば、メイン市場と同等もしくはわずかながら利益を上げることができたからだ。

ところが、ここにきて中国株が売られて逆に日本株が買われるようになってきた。2024年の日本株急騰の背景には、外国人投資家の買いによって支えられているのが、その証拠といっていい。例えば、東京証券取引所の「投資部門別売買動向」によると、日本株が急騰した1月第2週(9日-12日)では、海外投資家が9557億円の買い越しとなっている。

実際に、 これまで「中国ロング(買い)、日本ショート(売り)」をセットに裁定取引で利ザヤを稼いできたヘッジファンドが、この1月の日本株の爆上げでマクロファンドを閉鎖した、とブルームバーグが紹介している(2024年1月25日配信、コラム「日本と中国で危険な賭けに出るヘッジファンドに告ぐ」)。

一方、個人投資家の売買動向は、1兆695億円の売り越しとなっている。要するに、新型NISAスタートによる個人投資家が、日経平均株価急騰の「主役」になっているわけではない、ということだ。では、日本株が高くなっているのはなぜなのか。いくつか要因があるのだが、長期的な視野で見た場合、次のような要因が考えられる。

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