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中国造船業界、新造船受注量で世界の3分の2獲得 竣工量も世界シェア5割、「新エネ船」でも躍進

東洋経済オンライン / 2024年2月1日 16時0分

中国の造船業界は韓国や日本に比べて生産キャパシティに余裕があったことが、世界シェア拡大につながった。写真は建造中の大型コンテナ船(国有造船大手、中国船舶集団のウェブサイトより)

世界の造船業界で中国の存在感が増している。中国工業情報化省が1月15日に発表したデータによれば、中国の造船会社が2023年に受注した新造船は載貨重量トン数ベースで7120万トンに達し、前年比56.4%増加。世界全体の新造船受注量の3分の2を獲得した。

【写真】中国は自動車運搬船の受注シェアでも圧倒的首位に立つ

船舶の竣工量で見ても、中国の伸びは著しい。2023年の中国の新造船竣工量は載貨重量トン数ベースで4232万トンと前年比11.8%増加。世界シェアが5割を突破した。

韓国と日本のシェア低下

同じく工業情報化省のデータによれば、世界の造船企業ランキング上位10社の顔ぶれのうち、新造船の受注量ベースで7社、竣工量ベースで5社が中国企業だった。

こうした中国の躍進により、市場シェアを落としたのが韓国と日本だ。イギリスの海事情報会社、クラークソンズ・リサーチのデータによれば、2023年の世界の新造船受注量(標準貨物船換算トン数ベース)に占める韓国のシェアは24%、日本は11%だった。前年の受注シェアとの比較では、中国が約9ポイント伸ばしたのに対して、韓国は約8ポイント、日本は約1ポイントそれぞれ縮小した。

とはいえ、韓国と日本の造船所に閑古鳥が鳴いているわけではない。2023年は世界の船主の新造船発注が盛んだった一方、韓国と日本の生産能力はすでに飽和状態だった。韓国の主要造船会社では、新規に受注した船舶の竣工は2027年以降になる見通しだ。

財新記者の取材に応じた中国の業界関係者によれば、中国でも2023年後半には造船所のキャパシティが不足し、長年使われていなかった余剰ドックが満杯になるほどの活況を呈しているという。

14種類の船型でシェアトップ

船舶の用途別に見ると、中国は主要な18種類の船型のうち14種類で、2023年の新造船受注量のトップに立った。それらのうち、自動車運搬船の受注シェアは82.7%、ばら積み貨物船は同79.6%、石油タンカーは同72.1%、コンテナ船は同47.8%に上った。

さらに注目されるのが、(メタノール燃料などに対応することで)二酸化炭素(CO2)の排出量を抑えた「新エネルギー船」の新造船受注量において、2023年の中国の世界シェアが57%に達したことだ。それらの竣工と引き渡しが進めば、世界で運航される新エネルギー船の半分以上が中国製になりそうだ。

(財新記者:李蓉茜)
※原文の配信は1月16日

財新 Biz&Tech

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