1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

CoCo壱番屋、海外店舗を一気拡大する期待と不安 日本のカレーハウスのシステムを海外にも移植

東洋経済オンライン / 2024年2月1日 7時50分

現状、壱番屋は売上高の98%をカレー事業が占めている(2023年2月期実績)。今後はカレー以外の業態の店舗数を増やし、収益源の多角化を目指す。

海外ではCoCo壱番屋に軸足

多様化を図る国内に対して、海外ではCoCo壱番屋に軸足を置いた展開を進める。

出店ペースは、海外のほうが国内を上回る計画だ。国内店舗数(全ブランド合計)は2027年2月末1360店舗と、2024年2月末から9%増を計画。一方の海外は、同300店舗と、2024年2月末から40%増を算段する。

海外では、2027年2月末までの3年間で86店舗の純増を計画している。2014年2月期から2023年2月期の間に、海外で増加した店舗数は85店舗だった。つまり、今後の3年間で、過去10年分の店舗を一気に増やす計算になる。

壱番屋はこれまで、中国やアメリカなどでは直営、東南アジアではFCを中心に出店を進めてきた。今後もこういった地域での出店を進める構えで、タイや台湾、アメリカでは3年間で10店舗程度をオープンする計画だ。

また、直営で出店していたエリアでもFCでの出店を積極化する。アメリカでは初のCoCo壱番屋のFC店を2023年9月にテキサス州ダラスで開店。出足は売り上げ好調のようで、今後も現地でFC店を拡大をしていく方針だ。

さらに、未出店地域でも出店を計画する。EU圏で3店舗、オーストラリアで4店舗をそれぞれ新たに構える予定だ。

それぞれの地域で、日本のCoCo壱番屋をほぼそのまま出店する。メニューなどに一部違いはあるものの、カレーの辛さやトッピングなどを選択する方式は日本のものと同様だ。

壱番屋が海外展開を強化する背景には、海外の飲食事業の環境が日本よりもよくなっていることがある。

「海外のほうが賃金が上がっており、店舗メニューの値上げを行いやすい。事業環境はいい」。飲食業界のある関係者はこう話す。アジア圏で店舗を運営する別の飲食業関係者も、「日本よりも東南アジアのほうが、価格を高く設定している」と話す。

中国に多くの店舗を持つサイゼリヤは国内の価格を据え置いている一方で、中国では値上げを実施している。値上げをしても、「安価なイタリアンのブランド」という消費者の認知が変わっておらず、客足は好調を維持している。足元では、国内よりもむしろ、中国を含むアジア地域で利益を稼いでいる。

値上げの許容度がある海外への出店を強化

少子化に伴う人口減少により、飲食業の国内市場は縮小していくことが確実視される。その状況下、値上げの許容度がある海外への出店を強化する飲食業者は増えている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください