1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

中国の人口、「少子高齢化の加速」で2年連続減少 2023年の総人口は208万人減、出生数は最低更新

東洋経済オンライン / 2024年2月2日 18時0分

2023年の中国の出生数は902万人にとどまり、過去2年間で100万人以上も減少した。写真は中国の民間託児所(撮影:財新記者 張芮雪)

中国の人口減少が加速している。中国国家統計局が1月17日に発表した最新データによれば、中国の2023年末時点の総人口は前年末より208万人少ない14億967万人で、2年連続の減少を記録した。2023年の出生数は902万人、死亡数は1110万人、人口減少率は0.148%だった。

【写真】中国の人口減少の加速は、経済活動に大きな打撃を与えるのが必至だ。写真は高齢化が進む中国の建設労働者(イメージ)

人口構成の高齢化も進んでいる。国家統計局のデータによれば、2023年末時点の65歳以上の高齢者人口は2億1676万人と、総人口の15.4%を占めた。1年前の2022年末時点では、この比率は14.9%だった。

2024年の出生数は微増も

総人口の2年連続の減少とその加速は、人口問題の専門家のほとんどが予想していた通りだった。2022年のデータを振り返ると、同年末時点の総人口は2021年末より85万人減少し、61年ぶりのマイナスを記録していた。

また、2022年は出生数が956万人となり、1000万人の大台を割り込んだことが話題を呼んだ。2023年の出生数は、そこからさらに54万人減少。1949年の中華人民共和国建国以来の最低記録を更新した。

しかし2024年の出生数に関しては、一時的に増加に転じると予想する専門家が少なくない。3年近く続いたコロナ禍の影響による出生数減少の揺り戻しや、2024年の干支は(縁起が良いとされる)「辰(龍)」であり、赤ちゃんを欲しがる夫婦の増加が見込まれるからだ。

「コロナ禍の影響により、中国の子育て世代の多くが家族計画の先延ばしを余儀なくされた。2024年はその反動が現れる可能性がある。とはいえ、出生数増加の規模は大きくないだろう」。人口問題の専門家の黄文政氏は、財新記者の取材に対してそんな見方を示した。

より長期で見ると、中国の人口減少はますます加速していく。中国国家衛生健康委員会(日本の厚生労働省に相当)の直属シンクタンク、中国人口・発展研究センターの張許穎・研究員(教授に相当)の試算によれば、中国の総人口は2026~2030年の期間は年平均230万人ずつ減少するが、2031年~2040年はそれが370万人、2041~2050年は620万人に増加し、2050年以降は年平均1000万人の減少が予想されるという。

経済・社会に広範囲の打撃

「あらゆるデータが、出生数および総人口の減少トレンドの加速を示唆している。にもかかわらず、中国社会は将来の経済発展や生活水準に与える負の影響をあまりにも過小評価している」

前出の黄氏はそう警鐘を鳴らし、さまざまな業界が人口減少の打撃に直面する時期を次のように予想した。

「ベビー用品や保育サービスは5年以内、教育サービス、食品、アパレルなどは5~20年後、不動産、家電、自動車、レジャーなどは20~50年後だろう。その先は医療、介護、葬祭などにまで影響が広がっていく」

(財新記者:許雯)
※原文の配信は1月17日

財新 Biz&Tech

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください