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おかずかおやつか「コロッケ論争」繰り返される訳 地味なコロッケに人々が熱狂するのはなぜか

東洋経済オンライン / 2024年2月2日 12時0分

コロッケはなぜ活発な議論の対象になるのだろうか(写真:sogane/PIXTA)

「コロッケはおかずか? それともおやつか?」――この論争はくり返し起こって盛り上がる。いったいなぜ、コロッケは人の心を熱くさせるのか? 今回はこのお題を掘り下げてみたい。

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江戸っ子にとってはおやつ?

1月11日放送のバラエティ番組『秘密のケンミンSHOW極』で、神戸を中心に兵庫県民のコロッケ事情を特集していた。神戸っ子にとってコロッケは主菜だが、東京都民は「メインディッシュにならない」「主役は張れない」と言い切る。番組は、都民にとってコロッケは、おやつか副菜と位置づけた。

神戸文化圏育ちの私は、主菜と認識していたので驚いた。実情を知りたい、とSNSでアンケートを取ってみたところ、21人もの人が熱いコメントを寄せ、そのうち19人が「コロッケは主菜だった!」、と子どもの頃の思い出を書き込んでくれた。その中には、おやつとしても買ったと証言する人もいた。江戸っ子の2人は「主菜じゃない」と回答。

一方で、都内で育ったが「主菜だった」という人もいる。また、主菜じゃない、と証言する東京都民も、副菜としては受け入れている場合が多いようだ。東京でも、主菜と認識する文化はあるのである。

インターネットで調べると、コロッケが主菜になるか否かの論争はたびたび起こっていることが判明。近年の最も大きな論争が、辻希美が2022年2月22日に「コロッケはおかずにならない」と話したユーチューブ動画が発端で、テレビの情報番組でも取り上げられた。

コロッケは、手間がかかる料理である。多くの人が語る際、頭に浮かべたと思われるポテトコロッケの場合、ジャガイモをゆでてからつぶし、炒めたタマネギやミンチなどと混ぜて成形し、小麦粉・卵・パン粉を順にまとわせて揚げる。

一方、中にホワイトクリームが入っているクリームコロッケは、主菜と認識されているようだ。認識の違いは、普及の仕方の違いから生まれたのではないか。

戦前から庶民のおやつだったポテトコロッケ

ポテトコロッケは、戦前から庶民のおやつだった。老舗として知られるのが、1927(昭和2)年創業の東銀座「チョウシ屋」。レストラン勤務経験がある創業者が、庶民的にしようとホワイトソースをポテトに換えてヒットさせた。

1917(大正6)年、浅草オペラで使われたヒットソング「コロッケの唄」で歌われ、カレー、とんかつと共に「三大洋食」と呼ばれるなど、この頃の流行食だった。

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