1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

豚汁と並ぶ冬の新定番へ「牛すじ汁」超簡単レシピ 酒のあてやご飯のおかずにもしてもおいしい

東洋経済オンライン / 2024年2月3日 14時0分

沸騰するに従ってアクが浮いてくるので、それを取り除きます。目の細かい網を使うか、お玉ですくい取っても大丈夫です。

そもそもアクとは何でしょうか? アクには動物性と植物性がありますが、今回は前者について説明しましょう。

動物性のアクは食肉を水で加熱したときに、表面に浮いてくる固形物を指します。これはタンパク質が脂質を取り囲んで浮いてきたものです。このタンパク質には血液中にある鉄(ヘモグロビンやミオグロビン)が含まれるため、加熱すると茶色〜灰色になります。

肉の臭みは脂質の酸化によるものですが、鉄イオンによって酸化が促進されるので、アクには血生臭いような臭いがあります。そのため、除去するのです。

アクを除去したら弱火に落とし、2〜3mmの厚さに切った玉ねぎを加え、2時間煮込みます。この状態までいくとアクはほとんど出てきませんし、少量浮くアクも玉ねぎの香りによって臭みがマスキングされます。

火加減はできるだけ弱火です。水面がことことしていないと火を強めてしまいがちですが、その必要はありません。95℃〜98℃の温度を維持できるだけの火力があれば十分です。火加減をできるだけ弱くすることで光熱費の節約にもなります。

圧力鍋を使うと煮込み時間を半分に省略できますが、その場合は蓋を開けた状態で15分程度煮込んでから圧力をかけたほうがいいでしょう。圧力鍋は蒸気を閉じ込める形で加熱するので牛すじの匂いがこもりやすいからです。

2時間経った状態がこちら。使用する牛すじ肉によっては脂が多すぎる場合があります。そのときは一度、煮汁を冷蔵庫で冷やせば脂が表面に固まるのでスプーンなどでかんたんにとりのぞけます。脂は風味でもあるので、その場合は少し残しておいたほうがいいでしょう。

みそとみりんで味を整えます。みその分量に幅を持たせているのは製品によって塩分量が違うこと、鍋の口径と火加減の違いで水分量に差がでるからです。

青ネギか長ネギの小口切りをたっぷり添えます。時間はかかりますが牛すじは煮込んでおけばお好み焼きに入れてもいいですし、鍋やおでんにも応用が利きます。

1時間30分〜2時間煮込むような料理は忙しい現代、あまり見かけなくなりました。しかし、煮込んでおけばそのあいだの時間は自由に使えるので、上手に献立に組み込むと食事の準備がかえって楽になる場合もあります。時間は有限、それゆえにその使い方が重要、といったところでしょうか。

樋口 直哉:作家・料理家

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください