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「会社が面白くない」仏頂面の部長に起こった変化 考え方1つで解決策がいとも簡単に手に入る?

東洋経済オンライン / 2024年2月6日 6時50分

彼が答える。「どのようにすれば会社が面白くなるか?」。

僕は彼に聞いてみた。「その疑問形にしたら、なにが変わりましたか?」

彼は「そんなこと考えたことなかったです」と答えた。

たぶん彼は、会社が面白くない理由を説明するのは上手だったと思う。しかし、「どのようにすれば」の質問文にしたら、初めて答えを考えてしまった。

できない説明より解決策を

僕は一言も答えを考えてくれとも言ってないし、ましてや僕にそれを言ったからといってボーナスが上がったり、評価が上がったりするわけではない。それなのに、答えを考えてしまった。

「できない説明ではなく、解決策を言ってほしい」というのは、すべての経営者が社員に対して求めていることだが、それを手に入れられる経営者は多くない。

ところが、「どのようにすれば」と言い換えただけで、その状況がいとも簡単につくれてしまったのである。

僕は彼に言った。「質問のかたちにしたら、答えを考えてしまったわけですね?」

彼は「はい」と答えた。

「じゃあ、もっと面白い質問のかたちにすれば、もっといろんな人が考えたりしてくれるかもしれませんね」と僕。

「どうすればいいんですか?」と彼。

「先ほどの疑問文『どのようにすれば会社が面白くなるか?』を、『これが起こったらいいな〜』と思うような文章にすればいいんです。最初は難しかったら、『日本一』とか『世界一』といった言葉を入れれば、そうなりやすいです」

そう僕がアドバイスをすると、彼は「どのようにすれば渋谷一魅力的な会社を築けるだろうか?」という魅力的な質問文を彼はひねり出した。

もしも僕が彼の会社の総務部員で、社長から「なにかのタイミングで会社のために使ってくれ」と3万円を渡されたとしよう。

考えられるシナリオは3つある。 

シナリオA:僕の上司が「会社が面白くないのが問題」と言っている
シナリオB:僕の上司が「どのようにすれば会社が面白くなるか」と言っている
シナリオC:僕の上司が「どのようにすれば渋谷一魅力的な会社を築けるだろうか」と言っている

さて、3万円の使い道はどうなるか。

Aだったら「じゃあ、給湯室のコーヒーのフィルターでも買っておくか」ぐらいだし、Bだったら「じゃあ、アイスクリームパーティでもやるか」となるし、Cだったら、その答えを考えるだけでわくわくする。

A、B、Cのうち、どの会社に入社したいかと言われたら、僕なら間違いなくCだ。

仏頂面の総務部長同様、ハワードから言われて、初めて「どのようにすれば」に出合った僕にも「!」がやってきた。言葉のフォーマットを変えただけなのに、こんなに差が出てくるとは、僕も驚きだった。

言えない問題を言ってみる

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